IPOコラム

会社設立から上場までの期間が短くなる理由とは⁈

会社設立後数年で新規上場(IPO)する企業もあるなかで、2021年に新規上場(IPO)した会社の設立から上場までの期間は平均で約19年でした。

新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年に新規上場した企業の上場までの期間は約17年でした。

なぜ設立から上場までの期間が長くなっているのでしょうか。 

1.はじめに

以下の項目で一つでもあてはまる経営者の方はぜひご確認ください。

☑ 新規上場(IPO)準備中である
☑ 新規上場(IPO)を目指すか検討中である、悩んでいる
☑ 新規上場(IPO)準備に何が必要か知っておきたい
☑ 今の体制で新規上場(IPO)準備を進めることが可能か知りたい

新規上場(IPO)の準備期間は最低でも3~5年が必要とされますが、会社設立当初から新規上場(IPO)を目指していた会社ばかりではありません。

新規上場(IPO)を目指す背景は、第二創業期のタイミングであったり、事業承継のタイミングであったり、新規事業の拡大のためにベンチャーキャピタルによる資金調達を実施したタイミングなど、各社様々なものがあります。

本稿では、会社設立から新規上場(IPO)までにどのくらいの期間を要している会社が多いのかをご紹介いたします。 

2.2021年の新規上場(IPO)企業の設立から上場までの期間

2021年に新規上場(IPO)した企業は125社あり、リーマンショック以降最多の上場数でした。

さらに、2021年のIPO企業の設立から上場までの期間は平均で約19年で、2020年と比較して、約2年長くなっていますが、2000年と比較すると、2020年と2021年のいずれも短くなっています。背景としては、IT企業を中心に会社設立後5年以内に新規上場(IPO)した会社が近年増加していることから平均年数が短くなっていることがあります。

次に、2021年にTOKYO PRO Market(以下、TPM)へ上場した企業をみると、2021年ではTPMには13社上場しており、設立から上場まで年数は平均して約28年でした。2020年と比較して、本則市場と同様に1年間も長くなっております。

要因として、東京証券取引所(以下、東証)の市場再編が考えられます。
2021年のIPO市場において、東証の市場再編を考慮し、本則市場からTPMへ目標市場を変更した企業は一定数存在したと言われております。
また、TPM上場企業は、本則市場のようないわゆるIT系企業は少なく、地方老舗企業が多く存在します。
こういった創業年数の比較的長い地方老舗企業が、東証の市場再編を意識して目標市場をTPMへ変更した結果、上場までの期間が長くなっているのではないでしょうか 

3.早めに新規上場(IPO)準備を検討したほうが良い理由

2021年のIPO企業の、設立から上場までの期間は平均19年でしたが、設立から19年以上経過した会社と、設立から5年以内でIPO(新規上場)した会社とで、IPO準備にあたってどのような違いがあるのでしょうか。

設立から19年以上経過して新規上場(IPO)した会社は、売上規模、社員数ともに一定の規模感になっていることが想定されます。さらに、設立時には新規上場(IPO)を計画していなかった場合は、途中から新規上場(IPO)に向けた体制にシフトする必要があり、各種調整や制度の変更などに一定の時間を要することが考えられます。そのため、新規上場を早めに検討しておくことが重要と言えます。

一方で、設立から5年以内で新規上場(IPO)した会社は、会社設立時から新規上場(IPO)を想定した体制整備を進めていることが考えられる上、小規模の段階であるため新規上場(IPO)を意識した整備を進めることができ調整がスムーズに進めやすいことが考えられます。

以上のことから、小規模の段階で新規上場を意識した体制整備を進めることができるため、新規上場を早めに検討しておくことが重要といえます。 

4.まとめ

設立から19年以上経過した会社も、設立から5年以内の会社も新規上場(IPO)を目指すにあたって最初に把握しておきたいことは、
・新規上場(IPO)のために必要なことはなにか
・現状の自社の組織、規模からどのような対応が必要かを理解する
・自社にあった新規上場(IPO)までのスケジュールを設計
と考えます。

IPOを検討されている方は以下からご相談ください。

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