新規上場(IPO)の
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IPO支援コラム
これからのIPOにおける主幹事証券会社や監査法人の選定とは | 船井総研の事業承継・M&A
Table of Contents
1.はじめに
前回は、「TOKYO PRO Market」をご存知でしょうか?上場34社の規模感を紹介」と題しコラムをお送りしました。
今回は、2019年IPO(新規上場)した企業の主幹事証券や監査法人の状況をまとめました。
これからIPOを目指したい、目指すことを検討する経営者にとって、主幹事証券や監査法人の選定は非常に悩ましい課題になります。
IPO(新規上場)を目指す企業にとって大事なポイントとして、主幹事証券や監査法人をどこにするか、があります。
マーケットの状況を理解した上で、自社にとって最適な選択肢を選ぶことができるように事前に確認しておきましょう。
2.主幹事証券の動向
▼主幹事証券の傾向
2019年にIPOした企業の主幹事証券は以下のようになっています。
2018年と比べて、大和証券が増加し、みずほ証券が減少したことが目立ちますが、上位の証券会社は年により多少の変動はあるものの、今後も一定数のIPOには関わってきます。
IPOをサポートするための経験、実績に加えて人員を抱えているためです。
実績が多いほど、主幹事証券としての経験が豊富なため安心感はあります。
また、上場後の株価を意識して大手証券会社が良いという、考え方も当然あります。
では、主幹事証券を選ぶ際に上位にあるような証券会社を選ぶのが良いのでしょうか。
必ずしもそうとは言い切れないのに留意する必要があります。
主幹事証券と契約してから、IPOまで短くても2年近くは一緒にIPOを目指して
取り組んでいくことになるため、担当者との相性を大事にした、という上場経営者もいます。
また、大手証券会社の場合、主幹事証券としてIPOを目指す企業との契約数も多いので、証券会社としても優先順位をつけざるを得ないのも実情です。
自社がその証券会社にとって大事な取引先であるか、という点も意識していくのも大事なポイントになります。
エイチ・エス証券が2018年0社でしたが、2019年は2社となっているほか、2019年は0社ですが、エース証券なども主幹事証券としてIPOをサポートしています。
特に、地方市場などは、大手以外の証券会社を主幹事証券としての上場の傾向が続くものとみられますので、自社にとって何が大事か、自社のことをIPOまでサポートしてくれる証券会社か、担当者か、という視点で慎重に判断する必要があります。
知名度や実績だけで決めるのではなく、いくつかの証券会社とのヒアリングを重ねて判断することをおすすめします。
3.監査法人の動向
▼監査法人
2019年にIPOした企業の監査法人は以下のようになっています。
いわゆるビッグ4(あずさ、新日本、トーマツ、あらた)がIPO数としては常に上位にありますが、近年は少しずつ状況が変わってきています。
メディアなどでは「監査難民」といわれていますが、IPOを目指す企業が
監査法人との監査契約を締結できずにIPO準備を本格的に進めることができない、という状況は続いています。
監査法人によっては、時価総額1,000億円をめざせるようないわゆるユニコーン候補ベンチャーしか新規での契約を行わない、ともいわれるところもあり、新規でビッグ4と監査契約するためのハードルはかなり高くなっています。
そもそも問い合わせしても会ってくれてない、というケースも聞かれます。
IPOを目指すにあたっての最初のハードルは監査法人と監査契約を締結することになります。
監査法人と監査契約を結ぶにあたっては、監査法人によるショートレビュー(予備監査)を受けることになりますが、近年はそのフィーも高くなっている傾向にあります。
その為、新規で監査法人と契約を結ぶには、ビッグ4以外の監査法人にアプローチする傾向にあり、実際に2019年の実績からも、ビッグ4以外の監査法人の実績が増えてきております。
これらの傾向は今後もしばらく続くものとみられます。
いちから、各監査法人へアプローチしていくのも簡単なことではないためネットワークをもっている関係機関に相談しながら進めていくことが必要となります。
執筆者:株式会社船井総合研究所
チーフ経営コンサルタント 宮井 秀卓
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