新規上場(IPO)の
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IPO支援コラム
上場企業から学ぶ、取締役の構成と役員報酬の水準
ガバナンス(企業統治)の効いた組織をつくることは、今やどの企業にとっても欠かせません。
粉飾決算、利益相反取引、その他法律に抵触する事件、コンプライアンスの不徹底等は、度々報道されています。
ガバナンスの徹底は、昔から絶えず繰り返される企業課題の一つのように思われますが、未然に防ぐためにはどのような方策をとればいいのでしょう。
本稿で今一度振り返ってみたいと思います。
企業統治という言葉の通り、いかにして統治するのかが焦点となる以上、まず最初に、統治する立場はどのような在り方が望ましいのか?が検討点になります。
企業の種類、数はあまたありますが、特にガバナンスが問われやすいのは、上場企業であると言えます。
上場企業というと、従業員何万人という企業規模を思い浮かべる方もおられるかと存じますが、ここでは、未上場企業の経営者様にもご参考いただけるよう、比較的規模の小さい、直近で新規公開株式(新規上場・IPO)した企業にも当てはまる観点を中心に取り上げます。
なぜ上場企業を取り上げるのかというと、企業の所有と経営が分離している上場企業にとって、ガバナンスが効いているかは企業の所有者たる株主がもっとも注意しているポイントの一つだからです。
不祥事が発覚した企業の株価が急激に下がる様は、読者の皆様もご覧になったことがあるかと存じます。
いわずもがな上場企業は、株主に対して、継続的に株価(企業価値)が向上するよう責任を負っていますが、その責任の一つとして、不祥事が起きない体制を維持する点があげられる、と言えます。
そこで、今回は上場企業を参考例とし、その体制づくりについて触れて参ります。
新規公開株式を行うためには、監査法人による監査・主幹事証券会社による審査、東京証券取引所をはじめとした証券取引所における審査を経る必要があります。
その項目の一つには、会社法に則り、取締役会を適切に運用しているか?があります。
これは、「業務執行の最高意思決定機関である取締役会において、十分な議論・検討がなされず、取締役会が形骸化しているような場合は、取締役会に求められる取締役の業務執行に対する監督機能が働かず、会社としての意思決定が特定の者により実質的に決定されてしまうこととなり、ひいては特定の者の利益を優先し、株主の利益が侵害される危険性が生じるものと考えられます。」
(引用:日本証券取引所「新規上場ガイドブック」94ページより引用
URL https://www.jpx.co.jp/equities/listing-on-tse/new/guide/tvdivq0000002gtl-att/mothers_all.pdf)
という考えに基づきます。
噛み砕いていえば、企業の最高意思決定機関である株主総会における選任を受けて、実際の業務執行を司る取締役会で、
十分な牽制・監督が働いているかが焦点になります。
そのためには、組織体制において、
☑名目取締役がいないこと
☑同族取締役(親族)が取締役の過半数を占めないこと
☑原則として常勤取締役は専任であること
☑監査役と兼任していないこと
☑監査役には、一般株主と利益相反のない社外監査役を1名以上確保
等の要件を満たすことがあげられます。
こうした組織体制の点から、ガバナンスを徹底するという意図を読み取っていただけると幸いです。
なお、監査機関の詳細については、監査役設置会社・指名委員会等設置会社・監査等設置委員会があります。
より深く知りたい、これから体制づくりを検討したい方は、こちらのURLからお問合せくださいませ。
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/funai-ma/inquiry.html
ところで、これまで一から会社を立ち上げてきた、家族経営してきた企業においては、社外から取締役・監査役を迎え入れることが必要になってきます。
取締役級・エグゼクティブなクラスの人材が参画するためのインセンティブは、経営者の人柄に惹かれた、企業の成長性に魅力を感じた、(これから上場を目指すのであればSO(ストックオプション)が魅力的)など、様々あげられると存じますが、やはり報酬は欠かせないポイントの一つであると言えます。
参考までに、直近で上場した、あるいは上場予定の企業の役員報酬を記載いたします。
(出典:EDINETをもとに弊社集計)
ガバナンスを効かせるためには、取締役会の構成を検討し、必要に応じて社外から人材を招き入れることが重要になります。
社外人材の獲得のためには、直近で上場した企業の情報をもとに、自社でどのような方策を立てていくべきか、検討されてみることをお勧めします。
執筆者:金融・M&A支援部 シニアエキスパート 平井貴大
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