IPOコラム

IPO準備における内部監査運用前に確認すべき主なポイント

■ 本題とは別に、IPO準備における内部監査関連のコラム掲載しておりますので、ご覧ください。

▶ IPO準備における内部監査とは  
▶ IPO準備における内部監査のスケジュール
▶ IPO準備における内部監査の外部活用(アウトソーシング)  
▶内部監査を実施する上での社内諸規程の確認・整備(改訂)のポイント 
▶ IPOにおいて「内部監査」に役立つ資格   
▶社長が知っておくべきIPO準備における内部監査のコスト   

内部監査運用前(内部監査導入フェーズ)に、まず初めに確認しなければならないのが「組織編成(人員配置)」と「社内諸規程」になります。これらが整備されていなければ、そもそも内部監査を運用できません。

その理由としては、内部統制が機能するために、効率的かつ、健全に会社運営および運営管理を行うための組織単位や組織(図)が適切に配置・編成され、各組織単位に適切な人員が配置される必要があるからです。また、組織編成にあたっては、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を効率的に運用し、組織間(部門間)の相互牽制により、ミスや不正を防止または発見できる牽制機能をもたせる事がIPO準備においては必要です。

1.組織編成の確認ポイント

組織編成における内部監査の確認ポイントには次のようなものがあります。

(1)業務遂行のための組織(図)となっているか?    
   ① 責任    
   ② 権限     
   ③ 予算
(2)牽制機能があり、ミスや不正が防止・発見できる組織(図)・人員配置となっているか?
(3)部門長やスタッフが部門間の兼任兼務を行っていないか?
(4)特定の部門に権限が集中していないか?
(5)業務量に適した人員が配置されているか?
(6)管理部門に上場後の開示や株主対応が可能な人員が配置されているか?

組織編成は、社内の管理体制の整備・構築、運用における基礎となりますので、内部監査運用においても大切ですが、経営計画(経営戦略)における人的資源(ヒト)の配分の観点からも重要です。

もし、内部監査運用前(内部監査導入フェーズ)に「組織編成(人員配置)」が適切に整備されてない場合は、社長や取締役および管理部門長に助言等を行い、会社として組織編成を急務に構築する必要がありますので、次の手順を参考に行ってください。

2.社内諸規程の確認ポイント

組織編成と共に、前述「(4)各部門に業務遂行のルールや権限を規定(社内諸規程)」と合わせて社内諸規程の確認も必要です。社内諸規程は、「基本規程」「組織関係規程」「経理関係規程」「業務関係規程」「総務関係規程」「人事関係規程」「コンプライアンス関係規程」「その他規程」などに大分類されます。

IPO準備においては、社内諸規程を明確化し、内部統制を確立させ、会社の財産の保全や効率的な経営が行える社内管理体制の整備が求められます。

注意点として、主幹事証券やコンサル会社が提供、またはwebや書籍などを通じて諸規程のフォーマットを入手することは可能ですが、内部監査運用前には自社の業務運用の実態に沿った諸規程となっているかの視点で必ず確認するようにしてください。

社内諸規程における内部監査の確認ポイントには次のようなものがあります。

(1)必要な諸規程が整備されているか?
(2)法令に違反していないか?
(3)社内諸規程相互の整合性はあるか?
(4)各諸規程内に記載のある帳票(名)は実在するか?
(5)制定日および改訂日、変更履歴の記載があるか?
(6)取締役会等で承認されているか?また、その記載があるか?
(7)全社員(パート含)に開示されているか?

社内の諸規程は、内部監査実務(運用フェーズ)を行う際に使用する「内部監査チェックリスト等」のベースとなるものですので、もし、内部監査運用前(内部監査導入フェーズ)に「社内諸規程」が適切に整備されてない場合は、社長や取締役および管理部門長(各規程の所管部門長)に助言等を行い、会社として急務に整備・構築する必要がありますので、次の手順を参考に行ってください。

株式会社船井総合研究所では、上場準備会社様向けた『IPO準備で内部監査をアウトソースする3つのメリットとは?』と題したセミナーを開催し、今後も定期的に「内部監査関連のセミナー」を実施予定でございます。

今現在、上場準備中で、直前々々期(n-3)のタイミングの会社様におかれましては、すぐにでも内部監査構築に向けての準備を始めることを推奨しますので、まずは、お問い合わせください。

また、「内部監査」のみならず、IPO準備全般について、弊社では実際に事業会社にてIPO準備に携わった(CFOや上場準備責任者等)IPOコンサルタントが在籍しておりますので、下記URLよりお問合せください。

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