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IPOコラム
年商150億円規模の経営者が痛感したIPOを目指す理由と内部統制の関係とは
上場準備する上で必ず運用しなければならない事項の一つとして「内部監査」が挙げられますが、常日頃、IPOコンサルティングをさせていただく中で、「内部監査」や「内部統制」の必要性や重要性を強く感じております。
実際に、我々がご支援させていただいている会社様の中でも、経営者様自らが、社内管理体制の構築(内部統制)の必要性を強く感じて上場を目指すことを決意された事例もございます。
そこで、今回は、我々のご支援先の事例(上場を目指した理由)をご紹介させていただきながら、「内部監査」についてご説明させていただきます。
Table of Contents
1【事例】上場を目指した理由とは
年商150億円規模・従業員数100名超のA社様は、不動産関連事業を中心に展開されています。
A社の社長様はこれまでIPOについては全く考えてこなかったそうですが、10年後の会社の将来を見据えた際に、IPOを目指すことで社長の中で軸が定まったそうです。
さらに、IPOを目指すことで、不正が起こらないような社内管理体制を構築できるとも考えられたそうです。
船井総研でお付き合いさせていただく会社様には成長意欲の高い経営者様が多くいらっしゃいますが、「IPOを目指す」=「社内管理体制を構築する」=「更なる会社の成長につながる」という考え方に腹落ちしていただくことが、IPOを目指すことのはじめの一歩ではないかと感じております。
「社内管理体制を構築する」ことをコストと捉える経営者様もいらっしゃるかもしれませんが、「社内管理体制を構築する」ことが「更なる会社の成長につながる」事例をお伝えします。事例の一つとして、月次決算が挙げられます。
上場を目指す前までは、月次決算に3ヵ月近く要していたものの、上場準備の一貫として社内管理体制を整えたことで、月次決算の早期化を実現させ、月次での予実管理体制を構築させ、予実分析の結果を翌月以降の経営戦略へ反映させることもできます。
A社の社長様はまさに「社内の管理体制の構築」の必要性・重要性を痛感する出来事があり、IPOを目指すことを決意できたのではないでしょうか。
それでは、続けて、IPO準備を進める上で必要になる「内部統制」の中でも一つの論点となる「内部監査」についてご説明いたします。
2上場準備における「内部監査」とは
内部監査の目的は、経営者直属の部署又は担当者が各種規程やマニュアルに沿って業務運用がなされているかを調査・確認することです。
「内部監査」とは、自社内で自社の業務運用をチェックすることを指します。
3月決算の会社が2027年3月期に一般市場(プライム・スタンダードグロース市場など)への上場を目指す場合、主幹事証券や東京証券取引所の上場審査では直前期(n-1期)である2026年3月期の内部監査の運用状況が確認されます。
上場審査において直前期(n-1期)の内部監査の運用状況を確認されることから、直前々期(n-2期)の期末までに内部監査の体制を整備する必要があります。
上場準備における内部監査は未経験者にとってハードルが高い業務ですが、その理由としては2つ挙げられます。
①経験者が社内にいないケースがほとんど
内部監査を運用するにあたって、各種規程の整備・内部監査に関連する帳票の作成などの対応事項が発生します。内部監査の運用以前に、運用開始のために何が必要であるかが分からないというのが、内部監査業務未経験者の率直な意見かとおもいます。内部監査業務の大きな流れとしては、①内部監査計画の策定→②内部監査の実施→③内部監査調書の作成→➃社長への報告(内部監査報告書の作成)→⑤改善指示書の作成→⑥改善状況の確認になります。内部監査の業務は①~⑥までのプロセスを全部署に対して実施する必要があります。
②社内業務への理解
自社内で自社の業務運用をチェックすることが内部監査ですので、自社の業務を理解する必要があります。
場合によっては、該当する業法や業界慣習にも精通する必要があります。このような業種・業界特有の事情なども把握した上で、リスクコントロールの効いた業務フローの構築が必要になる場面もあります。
内部監査は内部統制の6つの基本的要素の一つである「リスクの評価と対応」にも関連します。
以上、IPOを目指す上では「内部統制」が欠かせない条件であることと、その一つのテーマである「内部監査」についてご説明いたしました。
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