新規上場(IPO)の
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IPOコラム
2022年のIPOの総括と今後の展望
Table of Contents
1. はじめに
ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰、米国の金融引き締めや、中国のロックダウンによる景気減速への懸念など、目まぐるしい情勢の変化があった2022年でした。
そのような2022年を「IPO」という切り口から振り返ってみます。
これからIPO準備を始めようと検討されている方や、既にIPO準備を進められている方にとっては、市場動向の振り返りとこれからの動き出しが重要になります。
2. 2022年のIPO市場の振り返りと2023年の展望
2022年の新規上場社数は91社となっており、2021年の新規上場社数126社を下回ったものの、2017年から2020年と同水準となりました。
また、2022年はTOKYO PRO Market(以下、TPM)にも大きな動きがありました。
2022年のTPMの新規上場社数は21社と、過去最多となっております。TPMの上場社数は累計で50社を超え、年々増加傾向にあります。
ここで、2023年のIPO市場のトレンドを4点ご紹介させていただきます。
①東京証券取引所の市場再編
2022年4月の東京証券取引所の市場再編に伴い、各市場の基準が変更されました。
例えば、グロース市場は新たに「事業計画及び成長可能性に関する事項」の開示が義務付けられ、
グロース市場の上場においては高い成長可能性を具体的に示すことが必要となりました。
また、スタンダード市場は流通株式時価総額がJASDAQ市場の際の「5億円以上」から「10億円以上」へと引き上げられ、かつ25%以上の流通株式比率が必要になりました。よって、スタンダード市場の上場においては、目安として時価総額が40億円以上の企業規模であることが必要となります。
以上のような各市場の基準や要件の変更により、目標市場を変更する上場準備企業が増えているため、TPMへの上場も増えているものと思われます。
②TPMからのステップアップ上場
2022年12月末時点で、通算で6社がTPMからステップアップ上場をしております。
(※ここでのステップアップ上場は、TPMに上場していた会社が、東証のグロース市場やスタンダード市場または、地方市場といった一般市場に上場することをいいます。)
ステップアップ上場先の市場に東証以外の地方市場があることも注目です。
③上場時の株価評価の変化
米国のGAFAMを中心とした企業の株価下落の影響を受け、国内におけるSaaSを中心としたベンチャー企業の株価も影響を受けております。これに伴い、2022年12月に上場したnote株式会社、株式会社INFORICHなどが上場前の資金調達時の時価総額から大きく株価を下げた新規上場となっております。2023年も引き続き同様の傾向が続くことが予想されます。
④主幹事証券の対応状況
証券会社が主幹事契約を結ぶ判断基準にも変化があります。上場を目指す会社数の増加とそれに対応できる人員が不足していることから、証券会社の間では主幹事契約締結に慎重な姿勢がみられ、契約先を厳選している模様です。
3. まとめ
冒頭でもお伝えした通り、これからIPO準備を進める予定の経営者様や、既にIPO準備を進めている経営者様にとっては、2022年のIPO市場の特徴や今後の市場予測を分析し、自社の上場準備に落とし込むことが重要になります。
本コラムでは2022年のIPO市場の振り返りと2023年の展望の一部をご紹介させていただきました。
以下のURLより、今回ご紹介できなかった内容もご覧いただけますので、是非ご活用ください。
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