IPOコラム

東証4番目の市場「TOKYO PRO Market」へ上場して成長を目指す!

東証プライム、スタンダード、グロースに続く4番目の市場にTOKYO PRO Marketがあります。最近の上場ブームもあり、2022年は年間上場企業数が過去最高となるなど注目のTOKYO PRO Market。TOKYO PRO Market上場企業の成長について、最近の事例を踏まえて説明します。

1.TOKYO PRO Marketは成長企業向け市場

東証はTOKYO PRO Marketを「成長企業向け市場」と位置付けています。

TOKYO PRO Marketの最大の特徴は、取引参加者が「プロ投資家」(金融商品取引法の適格投資家)に限られているということ。

この点が、誰でも取引できるプライム、スタンダード、グロース市場といった一般市場と異なっています。

取引参加者がプロに限定されていることから、詳細は割愛しますが、一般市場よりも上場条件が柔軟に定められています。

このことから、一般市場よりも時間的、金銭的に少ない負担で上場を目指すことができます。

そして、上場後は“上場企業”としてのメリットを活かすことができる。

例えば、設立間もない会社や赤字の会社であっても相対的にハードルが低いことから、成長企業にぴったりの市場といえます。

2.TOKYO PRO Marketからのステップアップ上場市場

TOKYO PRO Marketへの上場企業数が増えている要因は複数ありますが、上場後に着実に業績を伸ばし、グロース市場などの一般市場にステップアップ上場している会社が増えていることもその一つです。

いくつかの事例をご紹介します(以下、数値情報は各社開示資料に基づく)。

株式会社ニッソウ

まずご紹介するのは、株式会社ニッソウです。

東京でリフォームを中心とした建設業を営んでいます。

同社は、2018年のTOKYO PRO Market上場後、2年後の2020年に名古屋証券取引所のセントレックス市場(現・ネクスト市場)にステップアップ上場しました。

さらに、2年後の2022年に東証グロース市場に上場しています。

TOKYO PRO Market上場直前の2017年7月期には完成工事高15億円、経常利益は0.8億円でしたが、セントレックス上場の前年度である2019年7月期には完成工事高22億円、経常利益は1.6億円、グロース上場の前年度である2021年7月期には売上高28億円、経常利益は1.5億円と右肩上がりに成長しています。

同社の前田社長は過去、船井総研のセミナーにもご登壇いただいておりますが、TOKYO PRO Market上場は「上位市場への上場時期を遅らせるものではない」とお話しされております。

もちろん、同社の皆様の奮闘の結果が現在の業績でありますが、TOKYO PRO Market上場はそのあと押しになったことは間違いありません。

株式会社歯愛メディカル

次にご紹介するのは株式会社歯愛メディカルです。

同社は石川県を本社に、歯科医院向けの歯科製品で通販売上トップの企業です。

2016年のTOKYO PRO Market上場後、1年半後の2017年に東証JASDAQ市場(現・スタンダード市場)にステップアップ上場しました。

TOKYO PRO Market上場直前の2015年12月期には売上高181億円、経常利益は16億円でしたが、JASDAQ上場の前年度である2016年12月期には売上高203億円、経常利益は18億円、直近の2022年12月期には売上高428億円、経常利益は38億円と右肩上がりに成長しています(いずれも連結ベース)。

業績とともに時価総額も順調に増えており直近の時価総額は492億円となっております(2022年4月3日終値ベース)。

上記2社以外にも一般市場へステップアップした企業はありますが、経営者の皆様からうかがったお話しでいくつか共通点があります。

・TOKYO PRO Market上場により全国紙や地域メディアに取り上げられる等で知名度があがった。

・金融機関をはじめとする取引先からの信用度があがり、取引条件が改善された。

・新卒、中途ともに応募が増えた、地元以外からも採用できるようになった。

一般の知名度はまだまだ低いTOKYO PRO Marketですが、監査法人の監査を受け、東証の承認を受けた上場企業である点で相違ありません。

もちろん、上場の過程で金銭的なコストもかかりますし、上場後の情報開示義務や内部管理体制整備など、未上場企業と異なる負担があるのも事実です。

しかしながら、TOKYO PRO Market上場によって得られるメリットも大きいことに違いはありません。

TOKYO PRO Market上場を貴社の成長戦略の一つとして位置付けてみてはいかがでしょうか。

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