IPO支援コラム

相続税上の評価額を下げる効果のあるIPO視点での個人資産管理会社のメリット

はじめに

皆さん、個人資産管理会社はなぜIPOにおいて活用されているかご存じですか?個人資産管理会社を活用するためには、そのメリットを踏まえ、自社の状況に合わせる必要があります。本メルマガではそのヒントをご紹介いたします。

IPO上の個人資産管理会社の実態

意外にも個人資産管理会社を有するIPO会社は多くあります。当社調べでは、2021年のIPO企業(TPM含む)の約38%は資産管理会社を有しています。特に東証ジャスダック市場(現スタンダード市場)は60%を超えています。なぜ、このような状況になっているのでしょうか?

IPO上の個人管理会社の位置づけ

 IPOは新規に株主が増えることから、資本政策をどのように考えるかが重要になってきます。個人資産管理会社は資本政策の一つの手段ですので、自社のエクイティストーリーに合わせて活用する必要があります。
 例えば開発型のビジネスモデルのIPO準備会社は、収益が不安定な上に、競争に打ち勝つために必要な開発を行うために、いかに早く多く資金を調達する必要があり、どうしても上場前に株式が分散してしまいます。よって、個人資産管理会社を活用するメリットを享受できません。一方、成熟産業に属するIPO準備会社は既に安定した収益を得ており、資金調達の必要性は高くなく、今後も安定的に経営を行なうことの優先順位が高いことから、資産管理会社を活用しています。なぜでしょうか?

資産管理会社のメリット

個人資産管理会社は、事業承継をスムーズに行うため、相続による株式分散を図るために設立され、長期に株式を保有することを前提としています。よって、長期安定株主対策として有効です。さらに相続税上の評価額が下がるため、相続税上有利になります。このようなメリットがあるため、安定的に経営を行う会社に活用されています。

市場区分による影響

 今月に東証の市場再編が行われました。特に東証ジャスダック市場においては流通株式基準が5億円以上という時価総額基準しかなかったのが、再編後のスダンダード市場、グロース市場ともに流通株式比率25%以上を満たす必要があるため、この点も踏まえて検討する必要があります。

最後に

IPO会社に個人資産管理会社が多いということは、残念ながら、日本市場は成熟した市場が多いということの裏返しです。もっとIPO視点からの個人資産管理会社のメリット・デメリットについて、興味がある方はセミナーを開催していますので、お気軽にご参加下さい。

IPO視点での個人資産管理会社のメリット・デメリット

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/084959


2022年5月12日(木)10:30∼12:00
2022年5月20日(金)10:30∼12:00
2022年7月5日(火)10:30∼12:00
2022年7月13日(水)10:30∼12:00