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IPO支援コラム
「東証1部」や「マザーズ」という名称が変わります!東証が4市場から3市場に市場区分見直しで、今後どのような影響があるか
Table of Contents
■はじめに
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、2022年4月以降、「東証1部」「東証2部」「ジャスダック」「マザーズ」が「プライム」、「スタンダード」、「グロース」と変更される予定です。今回の市場区分の見直しの目的や、今後のスケジュール、新規上場(IPO)を目指す企業へ与える影響を説明します。
(1)東京証券取引所の市場区分見直しの目的
(2)東京証券取引所の市場区分見直しのスケジュール
(3)市場区分見直しが与える新規上場(IPO)を目指す企業への影響
(1)東京証券取引所の市場区分見直しの目的
東京証券取引所によると「国内外の多様な投資者から高い支持を得られる魅力的な現物市場とすべく市場区分を見直す」としています。
現在は、「市場第1部」、「市場第2部」、「マザーズ」、「ジャスダック」の4市場が運営されていますが、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の新たな3市場に再編される予定です(市場区分の名称は仮称)。
市場区分を見直す背景としては、東京証券取引所の4市場合計で約3,700社が上場していますが、東証1部といわれる「市場第1部」が約2100社で、「市場第2部」が約500社、新興企業を中心とする「ジャスダック」が約700社、「マザーズ」が約300社となっており、上場している企業の約55%が東証1部に上場しており、逆三角形の構造になっていることがあげられます。また、東証1部に上場する企業は、日本を代表する企業という位置づけになりますが、実際には時価総額約23兆円トヨタ自動車株式会社と、ジャスダックやマザーズに上場している企業よりも低い時価総額約20億円の株式会社井筒屋や株式会社一蔵(時価総額はいずれも2020年8月28日時点)が同じ市場に上場しているという状況になっています。このような状況を解消するために市場区分を見直すといわれています。
なお、東京証券取引所の「TOKYO PRO Market」市場に関しては今回の市場区分の見直しの対象外となっているようです。
(2)東京証券取引所の市場区分見直しのスケジュール
2022年4月から新市場体制に移行する予定です。それまでの2021年6月末までに現在上場している企業が、新しい3市場のどの上場維持基準に合致しているかを確認し、2021年9月から12月に上場市場を選択する、というスケジュールを予定しております。また、2020年11月には東証1部への新規上場と、他市場から東証1部への昇格基準を「時価総額250億円以上」に統一するなど段階的に実施していく予定です。
(3)市場区分見直しが与える新規上場(IPO)を目指す企業への影響
上記のように市場区分が4市場から3市場に再編されることに伴い新規上場(IPO)を目指す企業へ与える影響としてはどのようなものがあるのでしょう。
まず、2020年11月の段階で、東証1部への新規上場の基準を「時価総額250億円以上」とするとともに、東証2部とJASDAQスタンダード市場への新規上場のための基準を統一し、マザーズへの新規上場の基準として時価総額10億円以上でしたが、時価総額の基準がなくなる予定です。今後、新規上場(IPO)を目指す企業としては、2020年11月から2022年3月までの間に上場予定の企業は「ジャスダック」「マザーズ」の基準、2022年4月以降に上場予定の企業は「スタンダード市場」「グロース市場」の基準をクリアするように準備を進める必要があります。
現在IPO準備を進めている、今後IPOを目指すか検討中の経営者様向けに、市場区分の見直しにより、新規上場のための基準がどのように変わるのかなど、新規上場(IPO)を目指す際に知っておくべき事項をより具体的に解説するセミナーを実施いたしますので、是非ご参加ください。
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【執筆者:宮井 秀卓】
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