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IPOコラム
IPOを目指す企業が「従業員持株会」の設立を検討するべきメリットとは?
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ご自身の会社に従業員持株会の設立を検討したことはございますでしょうか。
従業員持株会というキーワードを聞いたことがある方は多いと思いますが、詳しく調べて検討したことがある方は多くないと思いますので、少しご紹介させていただきます。
非上場の会社が従業員持株会を設立する目的やメリットとして事業承継や節税のために税理士などから提案されることもあるかと思いますが、今回は新規上場を目指す企業向けの内容となります。
その為、事業承継のための節税などの観点とは異なりますのでご留意ください。未上場企業にとって節税はとても大事なことですが、上場企業にとっての節税は、利益を減らすことになり、結果として配当原資が減少するため、投資家と利害が反する行為になってしまうことになります。IPOを目指す企業が従業員持株会を設立するメリットは大きく3つです。
(1)上場後の安定株主の確保
(2)従業員のモチベーションアップ
(3)福利厚生としての奨励金
それぞれのメリットについて詳しく説明してまいります。
(1)上場後の安定株主の確保
社長と従業員の関係が良好でコミュニケーションがしっかりと取れていれば従業員持株会は安定株主となります。これにより、経営陣の保有割合に加えて、従業員持株会の保有割合が安定株主となります。上場後も社長及び経営陣は一定の支配権を維持すること意識することになります。安定株主の保有割合が50%以上、33%以上などを一定の基準として考える場合に、社長や経営陣の保有割合だけでなく、従業員持株会の割合も加味して考えることができるようになります。
(2)従業員のモチベーションアップ
会社の株を持つと従業員も会社の価値を気にすることになります。会社の価値が上がることで、従業員自身の資産価値も上がることになるためです。会社と従業員のベクトルを一致させることが期待できます。配当している会社の場合は、従業員も配当を受け取れるため、従業員のモチベーションアップにつながります。
特にIPOを目指している会社の場合、未上場の株価の安い段階で従業員持株会が株式を取得することができた場合にはじゃ、上場後に株価が大きく上がった場合、従業員持株会の保有する株式の株価も大きくあがることになり、従業員にとっては上場準備中だからこその大きなメリットがあります。
(3)福利厚生としての奨励金
従業員持株会への拠出は、従業員の給与を毎月天引きにて対応することが一般的ですが、その際に奨励金を設定することが多いです。
例)
毎月30,000円拠出(給与天引きして、従業員持株会に拠出)
奨励金を10%と設定
このようなケースの場合、従業員の天引き額は30,000円ですが、10%分の3,000円を奨励金として会社が負担し、従業員持株会には33,000円が拠出されることになります。
奨励金は3%で設定するケースや場合によっては100%で設定するケースもあり、会社独自で設定することができますので、従業員持株会設立時に判断することになります。
単なる福利厚生ではなく、従業員持株会への拠出を促進する形での従業員への対応となりますので、会社にとっても意味のある行為になります。
以上、メリットをご説明しました。
では、
従業員持株会の設立には何が必要で、費用はいくらになるのでしょう。
初期導入費用は証券会社様にもよりますが、50~100万円ほどです。
このほかにも従業員持ち株会の会員数に応じてランニングコストもかかります。
弊社では事業会社でIPOを経験したコンサルタントをはじめ、証券会社や監査法人出身のメンバーもおりますので、お気軽にご相談ください。
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