IPO支援コラム

これからの中小企業の生き残り戦略

中小企業白書によると、2018年の休廃業・解散件数は4万6,724件です。
直近5ヵ年で見ると、毎年8.7%のペースで休廃業・解散件数が増え続けています。
このような実態を踏まえて、今回は、これまでとは違った切り口から中小企業の生き残り戦略について考えてみたいと思います。

 

【Ⅰ.事業継続のパターンとパラダイム転換】

事業を継続させるパターンとしては、ビジネス面では、新規事業に取り組む、エリア・取引先を拡大する、逆に、強化すべき事業を絞り込むなどのパターンがあると思います。
また、財務面では構造改革によるコスト削減・高収益化、資金繰りの見直し等々が考えられると思います。

しかし、これらの施策はこれまでも多くの企業が長い歴史の中で取り組まれてきたことで、抜本的な問題解決につながらないケースも多く見受けられます。
自社でできる範囲内の施策に限定しがちになるのは当然と言えば当然ですが、成熟市場においては、「経営体制自体の見直し」も視野に入れて事業の継続を図るべきでしょう。

 

【Ⅱ.新たな選択肢】

「経営体制自体の見直し」とは、具体的には現状の経営陣を刷新し、経営のプロである第三者を迎え入れることを指します。
「経営体制自体の見直し」は、既存の経営陣のマネジメント力を否定する意味もあるので、この施策に踏み切るには、少なからず抵抗感があるのではないでしょうか。
しかし、事業承継のデータを見ると約15%は第三者への承継となっており、この比率は更に増え続ける見込みです。

第三者への承継(株式譲渡)をすれば、企業オーナーにはそれなりのキャッシュが入ってきます。
既存事業の存続のために経営者として手を尽くすのも良い事ですが、株式譲渡によるキャッシュインも魅力的な話だと思います。
経営者として事業継続を選ぶか、第三者への承継を選ぶべきかについては難しい問題ですが、日本の経営者は現状の地位にこだわらずに、もっと儲けるべきだという考え方もあります。

シリアルアントルプレナー(連続起業家)という言葉を聞いたことがあると思います。
シリアルアントルプレナーとは、事業を立ち上げて軌道に乗ったところで事業を第三者に譲り渡して新たな事業を立ち上げるということを繰り返すことで利益を上げる経営者を意味します。
シリアルアントルプレナーまでいかないまでも、企業価値が下がる前に第三者に事業を承継するのも、生き残り戦略の新たな選択して捉えるべきでしょう。

 

【Ⅲ.PEファンドの活用を考える】

中小企業のオーナーが自社の存続・成長を考える際に、ぜひ選択肢に入れて欲しいのがPEファンドの活用です。
PEファンドは、これまで伸び悩んできた中小企業でも外部リソースを注入し、適切にマネジメントすれば業績を伸ばすことは可能という思想を持っています。
また、PEファンドの根本的な機能は、成長ポテンシャルがある中小企業に対して「投資および積極的な経営への参画を通じて中小企業の成長、日本経済の発展を実現する」ことです。
この機能を理解して頂き、PEファンドを活用した生き残り戦略を検討して頂ければ幸いです。

 

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執筆者
株式会社船井総合研究所
M&Aコンサルティング事業室
濱野 雄介