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IPOコラム
東証以外でIPO!?地方証券取引所の特徴とそのメリットとは
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本コラムは2023年末時点の各市場の上場企業数を用いて作成しております。
Table of Contents
1.はじめに
1-1.IPOでどの市場を目指すべきか
皆様は下記のことをお考えでしょうか。
▼自社は地場に根付いて事業展開したい
▼地元での信頼度を高めたい
▼地元以外での知名度を高めたい
▼現実的な上場先として、グロースやスタンダード以外も検討したい
1-2.東証以外の地方証券取引所
現在国内には、4つの証券取引所が存在します。東京証券取引所以外にも、証券取引所として、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所が存在します。
東京以外の証券取引所では、毎年ないし数年に一度新規上場がみられます。
本稿では、地方証券取引所の特徴・近年の概況についてお伝えいたします。
2.各地方証券取引所の特徴
2-1.札幌証券取引所
北海道札幌市にある証券取引所です。東証プライム・スタンダードに該当する本則市場とグロースに該当するアンビシャスという、新興市場の二つがあります。
・上場企業数:61社
・内訳
単独上場企業数:18社 (単独とは、他の市場に上場していない場合をいいます)
本則:10社
アンビシャス:8社
2-2.名古屋取引証券所
愛知県名古屋市に構える証券取引所です。大手企業向けのプレミア市場、中堅企業向けのメイン市場、新興企業向けのネクスト市場の三つがあります。
・上場企業数:280社
・内訳
単独上場企業数:61社
プレミア:3社
メイン:43社
ネクスト:15社
2-3.福岡証券取引所
福岡県福岡市にある証券取引所です。本則市場と新興市場であるQ-Boardの二つに分かれています。
・上場企業数:104社
・内訳
単独上場企業数:24社
本則:19社
Q-Board:5社
上場企業数についていえば、名古屋証券取引所が最も多く280社となっておりますが、単独上場している企業の比率は、札幌証券取引所が最も多くなっております。
地方証券取引所に上場している企業の多くは、東証にあわせて上場していることが多く、地方証券取引所からステップアップして東証へ上場するといったケースもみられます。
3.2019年から過去4年間における地方証券所の新規上場数
次に新規上場企業数についてみてみましょう。下記は2019年から過去4年間において上場した企業を証券取引所別に掲載したものです。毎年、各証券取引所から1~2社が上場しております。
(各証券取引所のHPをもとに弊社集計)
地方証券取引所には、地域に根差した事業を展開している企業が見受けられます。
例えば、2018年に札幌証券取引所アンビシャスに上場したFUJIジャパンは、建物の外壁を製造・設置する企業です。同社の製品は、冬季に気温が低い北海道をターゲットとしております。
4.地方証券取引所への上場基準とは
地方証券取引所への上場メリットとして挙げられる点に、上場基準が挙げられます。
例えば、企業規模です。スタンダード市場では、最低でも1億円の利益・時価総額が40億円が求められます。同じく、IPOの際に目指されやすいグロースでも、時価総額が20億円以上必要とされます。
反対に、札幌証券取引所アンビシャスでは、時価総額に対する指定がありません。
5.終わりに
新規上場の際に目指されやすい市場としては、スタンダードやグロースが挙げられます。一方で、地方証券取引所へ上場するという選択肢もあります。自社がどの市場を目指すべきか、という点については、IPO準備スケジュール・業界・マーケットの成長性・上場目的といった観点から検討すると良いでしょう。
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