IPO支援コラム

IPOに必要なCFOとは? ~IPO企業のCFOの経歴を探る!上場企業から分析~

今回はIPO(新規上場)に必要な人材に触れてまいります。

上場には、社内の管理部門を整えることが必要です。具体的には経理や財務のポストをおくことがあげられます。

近年、IPO人材の需要が高まっているなかで、CFO(Chief Financial Officer”最高財務責任者”)を登用するケースが目立っています。
とはいえ証券会社や、公認会計士といったファイナンスの経歴を持つ者を外部から採用すべきか、はたまた自社のプロパーを任命すべきか、悩ましいところです。

今回は、2018年に上場した企業のCFOやそのバックグラウンドを明らかにすることで、IPOに必要な人材像を探ってみたいと思います。

■IPO企業の中からCFOをピックアップ

2018年にジャスダック、マザーズへ上場を果たした企業のうち、「CFO」「最高財務責任者」「財務経理部長」といった役職名で役員を登用している企業を以下にまとめました。

出所:各社の新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)を基に弊社集計
(なお、経歴はIPO企業に入社するまでの最大3社に限り、古い順番から記載しております。)

■CFOは、ファイナンス業界出身者ばかりではない


19社の役員の経歴を細かく見ると、金融機関・監査法人に勤めていた経歴を持つ人物を登用したケースは12社に限られます。
こちらの場合では、事例1や事例9のように監査法人や証券会社と事業会社を渡り歩いた人物や事例10のように金融機関一筋の人物を登用したケースがあげられます。

一方で、事例4、事例7、事例18を筆頭に、事業会社のみのキャリアを持つ人物が登用されたケースが7社を占めます。一概に、CFOだからファイナンス業界出身であるとはいえないのです。

■CFOに求められる役割とは

一般的に上場企業は、管理部門を配置し、経理機能・財務機能を備えています。
会社の取引を記録する経理機能に対して、取引に応じて資金を運用することが財務機能です。
CFOは経理・財務機能を監督する者として、管理部門をマネジメントします。

ただし、CFOのより本質的な役割の一つは、事業に投下するための資本の調達・運用・管理にあります。換言すれば、業績を見ながら事業部門とコミュニケーションをとり、予算実績管理に責任を持つのです。

また、資金調達に際して、VCをはじめとした投資家に対して、自社のプレゼンスを提示していかなければなりません。
このため、事業の構造・特性・強みについて、理解する必要があります。

特に、グロース市場上場を目指す場合、昨年対比で数10%の売上高・営業利益の成長が求められます。

事業の成長スケジュールと噛み合った財務戦略を練ることも、CFOの重要な役割です。

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