IPOコラム

営業利益3000万円からのIPO戦略!データで確認するIPOした会社の業績

営業利益3000万円から上場会社??と感じた方はぜひお読みください。
上場会社になるためにIPO(新規上場)を目指す場合、売上100億円以上必要など、一定の規模感が必要と認識されている方も多いですが、実際はそんなことはありません。売上が10億円未満でIPO(新規上場)した会社も珍しくないです。

2025年上半期(1月から6月)のIPO(新規上場)した会社の業績データ

まず、上半期(1月から6月)にグロース市場とTOKYO PRO Marketに新規上場した会社の売上と経常利益は以下の通りです。

・グロース市場への新規上場 

2025年上半期(1月から6月)にグロース市場へ新規上場した会社は18社です。
その18社の上場直前の決算期の売上や利益の状況は以下の通りです。最大値や最小値のデータのばらつきを考慮し、より実態に近い数値を把握するため、中央値で確認すると、売上高の中央値は29.6億円、経常利益は1.5億円となっています。

最大値中央値最小値
売上高132,6億円29.4億円4.4億円
経常利益12.5億円3.8億円▲24.9億円
(船井総研調べ)

・東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)への新規上場

2025年上半期(1月から6月)に東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に新規上場した会社は21社です。その21社の上場直前の決算期の売上や利益の状況は以下の通りで、売上高の中央値は29.6億円、経常利益の中央値は1.5億円でした。

最大値中央値最小値
売上高169,4億円29.6億円0億円
経常利益22.1億円1.5億円▲1.9億円
(船井総研調べ)

これらのデータから、全然、「営業利益3000万円から」ではない?じゃないかと感じられるかもしれませんが、実際に新規上場(IPO)した会社の上場までの業績推移を個別でみてみましょう。

①株式会社ジグザグ

2025年3月31日にグロース市場へ新規上場(IPO)した、株式会社ジグザグの上場までの業績推移は以下の通りです。上場直前期となる2024年5月期の経常利益は1.7億円ですが、遅くとも経常利益が▲0.8億円のタイミングである2022年5月期中から上場準備を始めていることがわかります。

    2022年5月期 2023年5月期2024年5月期
    売上高5.5億円8億円11億円
    経常利益▲0.8億円0.3億円1.7億円

    ②株式会社ZenmuTech

    2025年3月27日にグロース市場へ新規上場(IPO)した、株式会社ZenmuTechの上場までの業績推移は以下の通りです。上場直前期となる2023年12月期の経常利益は0.5億円ですが、グロース市場へ上場しました。

    2021年12月期 2022年12月期2023年12月期
    売上高2億円2.3億円4.4億円
    経常利益▲0.4億円▲1.1億円0.5億円

    ③株式会社デージーネット

    2025年6月26日にTOKYO PRO Marketに新規上場した株式会社デージーネットの上場までの業績推移は以下の通りです。上場直前期となる2024年12月期の経常利益は9百万円でしたが、TOKYO PRO Marketに上場しました。

    2022年12月期 2023年12月期2024年12月期
    売上高3.3億円3.6億円4.5億円
    経常利益▲0.03億円▲0.4億円0.09億円

    ④株式会社樋口総合研究所

    2025年7月4日にTOKYO PRO Marketに新規上場した株式会社デージーネットの上場までの業績推移は以下の通りです。上場直前期となる2024年5月期の経常利益が0.5億円、それ以前も同水準の利益となっています。

    2022年5月期 2023年5月期2024年5月期
    売上高7.4億円8.7億円9.6億円
    経常利益0.5億円0.5億円0.5億円

    新規上場(IPO)社の業績データからみる上場準備

    2025年上半期(1月から6月)のIPO(新規上場)した会社の業績データをご確認いただいた上で、知っていただきたい、ご理解いただきたいポイントは以下になります。

    ポイント① 新規上場(IPO)にあたって必ずしも売上規模が必要なわけではない

    グロース市場、TOKYO PRO Marketともに、最大値、最小値をご確認いただいてわかる通り、規模には大きな差があります。特に業種や扱っている商品、サービスの特性により売上高の絶対額は影響をうけますので、数字が大きくければならない、というわけではないということをご理解いただけたと思います。

    ポイント② 上場準備をいつ始めるかがが重要(上場する時期に影響します

    当然新規上場(IPO)時には売上や経常利益は大事ですが、新規上場(IPO)準備をいつから始めるか、という点では、必ずしも明確に売上高や利益が一定水準以上ではければならい、というものがあるわけではないことをご理解いただけたのではないでしょうか。

    ポイント③ 上場を目指す市場の基準を理解する必要がある

    上記で個別企業として取り上げた4社のうち、2社はグロース市場、2社はTOKYO PRO Marketに新規上場(IPO)した会社です。それぞれ市場の特性により、求められる数字の水準などが異なってきますので、事前に目指すべき市場の基準を把握しておくことが大事、という点もご理解いただけるのではないでしょうか。

    営業利益3000万円からのIPO戦略!

    実際に新規上場(IPO)した会社のデータから、

    ・営業利益3000万円未満から新規上場(IPO)準備を進めている会社がある

    ・営業利益3000万円未満で新規上場(IPO)した会社があるという状況ですので、
    今後の事業計画における事業の成長性可能性にあわせてグロース市場かTOKYO PRO Marketかいずれの市場への新規上場(IPO)を目指すことを検討されてはいかがでしょう。

    売上高150億円でTOKYO PRO Marketに上場

    2024年12月にTOKYO PRO Marketに上場した、株式会社ダブルツリーは、直前期である2023年12月期の売上高は153億円、経常利益は8億円でした。

    (2024年にTOKYO PRO Marketに新規上場した会社の中で売上高最大値です)

    なぜ、売上高150億円の会社がTOKYO PRO Marketに上場したのか、

    そこには

    ・会社が上場を目指す理由

    ・市場(グロース市場かTOKYO PRO Marketなど)の特性

    などを考慮した上でのご判断がありました。

    株式会社ダブルツリーの林社長にこれらについてどのように考え、意思決定していったかを直接聞くことができる機会があります。

    また、同日、「上場社長4名と直接交流!IPOミートアップin船井総合研究所」も開催します。

    上場に関する具体的な疑問や、自社の上場可能性について、直接、複数の上場社長に直接ご相談いただける貴重な機会です。

    ご案内

    【研究会全国大会】企業価値向上フォーラムIPO分科会10月例会

    【今回のテーマ】

    『売上150億円でTOKYO PRO Marketを選んだ理由とは、上場準備から上場までの道のりを解説』。

    【開催概要】

    ・開催日:2025年10月08日(水)10:00~17:00
    ・会場:東京ミッドタウン八重洲35F

    初めての方はお試し料金で参加可能です。
    本気で変わりたい経営者の方のご参加をお待ちしています。

    お申し込みはこちら
     https://www.funaisoken.co.jp/seminar/131108

    同日開催「上場社長4名と直接交流!IPOミートアップin船井総合研究所」

    【ゲスト】
     グロース市場上場会社、TOKYO PRO Market上場会社それぞれ2名、合計4名の上場会社社長によるパネルディスカッションにより、上場についてお聞きします。

     株式会社フライヤー 代表取締役 大賀康史 様(2025年2月グロース市場上場
     株式会社L is B 代表取締役 横井太輔 様(2024年3月グロース市場上場
     株式会社ヒューマンアジャスト 代表取締役 根岸靖 様(2024年9月TOKYO PRO Market上場
     株式会社D&I 代表取締役 小林鉄郎 様(2025年2月TOKYO PRO Market上場

    お申し込みはこちら
     https://www.funaisoken.co.jp/seminar/132597

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