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IPOコラム
2024年のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の新規上場企業数は50社と過去最多となりました!2024年のグロース市場への新規上場企業数が64社であることを考えると、TOKYO PRO Marketがグロース市場の新規上場企業数に追いつくような勢いで拡大していることがわかります。実際に、これまで一般市場上場に向けて上場準備を進めていた企業がTOKYO PRO Marketへ目標市場を変更する企業も増えており、TOKYO PRO Marketの立ち位置が大きく変わってきたと表現してもよいのではないでしょうか。
そこで、本コラムでは、J-AdviserかつIPOコンサル会社である船井総研が2024年のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の総括と今後の展望について解説いたします。
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2024年のTOKYO PRO Marketの新規上場企業数が50社となり、年間での新規上場企業数としては最多となりました。2022年の年間新規上場企業数21社の2倍以上の規模となっており、2024年12月末時点では133社が上場しております。
今でこそ、中堅・中小企業の成長戦略の一つとして位置づけられているTOKYO PRO Marketでありますが、2020年以前は年間の新規上場企業数が10社以下という状況でした。それでは、一体なぜTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)がこれほどまでに認知度の高い市場となったのでしょうか。かつては、TOKYO PRO Marketに対して、「流動性の低い市場」「ファイナンスができない」「マザーズ市場(現グロース市場)の格下市場のTPM」というイメージを抱いている方が多かったのですが、以下の4つの理由から、現在のTOKYO PRO Marketが大きく捉え方が変わってきていると考えられます。
➀2022年4月の東証の市場再編による新規上場基準の変更
②TOKYO PRO Marketから一般市場へのステップアップ上場
③TOKYO PRO Market新規上場時のファイナンス事例の増加
④J-Adviser社数の増加
いずれにしても、上場企業数が50社を超えた2021年〜2022年のタイミングから、上場後の事業成長はもちろん、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)活用の可能性が大きく広がってきている印象です。
それでは、2024年のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)への新規上場企業には、どのような特徴があるのでしょうか。
(1)業績規模
下記表では、上場直前期の各年の新規上場企業の売上高と経常利益をまとめております。2021年〜2022年のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)新規上場企業は、不動産業や建設業の銘柄が多かったため、売上高・経常利益の中央値が高く推移しております。2023年以降、情報・通信業やサービス業の銘柄が増えておりますが、特に2024年は売上高10億円未満で、まだ業績規模の小さい成長拡大期にある新規上場企業が目立ちました。そのため、2024年の新規上場企業の経常利益の中央値は、直近3年間と比較して減益傾向にあります。
2024年にグロース市場に新規上場した64社と比較すると、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の方が経常利益1億円未満の割合が高くなっております。グロース市場の場合、流通株式時価総額などの定量的基準や、「高い成長可能性」が上場審査で求められるため、このような違いが生じているものと考えられます。
(2)時価総額と株価
TOKYO PRO Marketで近年ステップアップ上場事例やファイナンス事例が増えている状況の中、上場準備企業の中にはTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)という選択肢を検討するケースが増えてきています。
一般市場の場合、新規上場企業は上場承認後に機関投資家向けにロードショーを行います。新規上場企業はロードショーの中でビジネスモデルや成長戦略などの自社に魅力を伝え、機関投資家の需要を確認します。一般的に、このような株価決定プロセスをブックビルディング方式といいます。
一方で、TOKYO PRO Marketの場合、新規上場企業はJ-Adviserの他に、流動性プロバイダーと契約する必要があります。なお、J-Adviserが証券会社の場合、J-Adviserと流動性プロバイダーが同じ会社のケースもあります。TOKYO PRO Marketでは、上場日の前営業日に板中心価格(上場時の初値)が東証HP上で公表されます。当社がJ-Adviserとして上場したBABY JOB様のケースはこちらをご確認ください(東証HP:https://www.jpx.co.jp/news/1031/20241218_03.html)
2024年12月末時点で、累計13社の企業がTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)から一般市場へのステップアップ上場を実現させております。2024年では、札証アンビシャスや名証ネクストなどの市場選択肢が多岐にわたっております。
以下の表では、ステップアップ上場企業の一覧をまとめておりますが、注目の企業は株式会社QLSホールディングス(2019年11月TPM上場)になります。同社は、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)上場後に、2023年6月に名証ネクストに上場し、2024年12月に東証グロース市場に上場いたしました。これまで、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)上場後に名証と東証の一般市場に上場した事例はニッソウ(2018年2月TPM上場)のみでしたが、2社目の事例となります。今後、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)⇒地方市場⇒東証の一般市場という事例が増えていくかもしれません。
以上、2024年のTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の総括と今後の見通しをお伝えしました。過去最高の新規上場企業数となり、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の活用方法も多様化していると言えるでしょう。スタンダードやグロース市場への上場ハードルが高くなっていることも踏まえると、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)は上場準備企業の登竜門のような立ち位置となりつつあります。
本コラムを通じて、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)やFukuoka PRO Market(福岡プロマーケット)についてより詳しく知りたいと思った方は、ぜひJ-Adviser兼F-Adviserでもある船井総研へお問い合わせください。
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