IPOコラム

IPO実務経験者が語る!上場準備中の「ヒヤリハット」エピソード

はじめに

IPOのセミナーを開催させていただいている中で、

よくお伝えしていることではあるのですが、

新規上場(IPO)を実現するためのポイントとして、以下の2つがあると考えております。

・社内にIPO準備の実務経験者がいるか否か

・早期から上場準備を取り組んでいるか

上場準備の経験者が必要な理由としては、

上場準備は数多くの対応事項が必要になるため、新規上場(IPO)までの道のりを一度でも経験した実務経験者がいることで、効率よく上場準備を進めることができるためです。

そこで、今回は、事業会社にて新規上場(IPO)を経験した船井総研のコンサルタントの「ヒヤリハット」エピソードをご紹介いたします。

身近に上場準備経験者がいない方は、本コラムをもとに、

このような「ヒヤリハット」が少なく上場準備が進むように、貴社の上場準備にお役立てください。

未払い残業代の対応

 上場するにあたっては、未払い残業代をなくしておく必要がありますが、その為には、まずはどのくらいの未払い残業代が潜在的にあるのか実態を把握する必要があります。

一般的には、労務DD(デューデリジェンス)を受けて、未払い残業代の現状を把握することが多いです。IPO準備における労務DDは、IPO準備に詳しい社労士から、労務管理状況の監査を行うことを指します。

労務DDの結果、未払い残業代などの簿外債務や自社の就業規則及び労使協定の整備状況を確認し、上場準備中に労務DDで判明した課題を改善する必要があります。

弊社のIPO支援においては、直前々々期(N-3期)などの早い段階から、IPOに詳しい社労士による労務DDを実施することを推奨しております。

 上場準備の中では、ほとんどの会社が未払い残業代の問題に直面することとなりますが、ここでお伝えするのは、未払い残業代の支払いとそれに伴う会計処理ついて、です。

未払い残業代の支払い・会計処理は、主に下記2つのパターンに分けられます。

①「一時金(精算金等)」として支払い、当期のP/Lにて特別損失として計上する

②前期以前の給与について過年度修正を行う

事業会社にてCFOとして上場を経験した弊社のコンサルタントAは、

当期のP/Lへの影響度合いを考慮した結果、②を選択しました。

①を選択した場合、従業員の過年度分の社会保険料や労働保険料の計算の修正は必要ありませんが、

②を選択したことで、

従業員一人一人の社会保険料や労働保険料の過年度修正を行わなければならず、

非常に手間がかかったそうです。

上場直前にこのような対応を行わざるを得ない状況になったとしたら、状況次第では上場の時期が先延ばしになっていた可能性も考えられます。

未払い残業代の支払いを検討されている上場準備中の方は、

早めに対応できるように準備するとともに、支払いと会計処理については慎重にご検討ください。

まとめ

上場準備経験者の「ヒヤリハット」エピソードとして、

今期は未払い残業代をテーマとしてご紹介いたしました。

未払い残業代についていえば、支払って全てが完了というわけではなく、その後も未払い残業代が発生しないように対応する必要があります。

このような上場準備経験者だからこそ知っている体験談をお聞きしたいという方は、是非下記URLよりセミナーへお申込みください。

2022年10月31日(月)14時~16時にて、

一般社団法人日本IPO実務検定協会様主催のセミナーに弊社コンサルタントが登壇し、以下についてお話させていただきます。

「上場準備でつまずきやすい6つのテーマとリカバリー策」

〇テーマ 1 社内に上場経験者がいない

〇テーマ 2 株主に不適切な方がいると指摘受けた場合

〇テーマ 3 未払い残業代

〇テーマ 4 予算と実績がズレる

〇テーマ 5 主幹事証券との関係性

〇テーマ 6 監査法人との関係性

お申込みはこちら

https://forms.gle/4eUhKtPGXZU3yku37

弊社より、IPO支援・J-Adviser業務責任者の宮井が登壇させていただきます。