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IPOコラム
成長戦略としての「TOKYO PRO Market」
本コラムでもたびたび取り上げているTOKYO PRO Marketですが、上場企業数は過去最多の75社となりました(2023年5月19日現在)。
多くの上場希望企業様から相談をいただいておりますが、最近はTOKYO PRO Marketへの上場に関するご相談が非常に増えています。
Table of Contents
1.TOKYO PRO Marketの特長と上場のメリット
以前もご説明しましたが、TOKYO PRO Marketの特長は、取引参加者がプロ投資家(特定投資家)に限られ一般投資家が参加できないこと、その反面、投資家保護の仕組が簡略化され、柔軟な上場基準が定められていることにあります。
たとえば業績に関する要件がないこと、監査法人の監査が1期分で足りること、四半期開示が省略可能なことなどです。
その反面、上場時の新株発行による増資が困難といったデメリットがありますが、東証に承認を受けた上場企業としての安心感や信用力から、取引先や金融機関との取引条件が良化する、人材を採用しやすくなる、といったメリットがあります。
2.より高い成長を求めステップアップ上場を目指す
こうしたメリットを最大限に活かして業績を伸ばし、上位の市場にステップアップする事例が増えています。
2022年7月には株式会社ニッソウがグロース市場に上場しました。
ニッソウさんは2018年2月にTOKYO PRO Marketに上場し、2020年3月に名古屋証券取引所セントレックス市場(現ネクスト市場)にステップアップ上場、そして今回のグロース上場となりました。その間、売上高に当たる完成工事高は、2017年7月期の15億円から2021年7月期の28億円まで、2倍に近い成長を遂げています。
同社の前田社長は船井総研の講座にもゲスト講師としてご登壇いただいていますが、TOKYO PRO Market上場によって取引先の幅が広がったこと、TOKYO PRO Marketへの上場がステップアップ上場の準備となったことといったメリットをお話しいただいています。
また、最近ではブリッジコンサルティンググループ株式会社が2023年5月19日にグロース市場への上場を承認されました。同社は2022年5月30日にTOKYO PRO Marketへ上場していますが、上場時に開示した発行者情報で、投資株主との間で「株主間契約」を締結したまま上場したことで話題となりました。
「株主間契約」については別の機会でご紹介しますが、ベンチャーキャピタルなどから投資を受けたベンチャー企業は、グロース市場への直接上場を目指すのが一般的です。
今後は、同社のようにまずはTOKYO PRO Marketへ上場して収益面や管理体制など上場企業としての基盤を固めつつ、グロース市場などへステップアップしていくケースが増えていくことが予想されます。
3.TOKYO PRO Market上場を成長戦略のひとつに
このように、将来的な一般市場への上場を目指す場合でも、まずはそのための成長手段の一つとしてTOKYO PRO Market上場を位置付け、積極的にTOKYO PRO Marketへの上場を選択する企業が増えています。
今後もTOKYO PRO Marketが注目市場といえそうです。
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