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IPOコラム
HD会社(持株会社会社)を実際に「経営」するためには何を準備すべき?
グループ経営を目指してHD会社(持株会社)を作ってはみたものの、設立登記をして以来、実質的な活動実績がないというパターンが見られます。
節税目的のいわゆる「資産管理会社」であれば、それでも十分かもしれません。
しかしながら、経営課題を解決するためのいわゆる「攻めのHD化」を志向してHD会社を設立したのであれば、単に維持費がかかるばかりでもったいない話です。
今回はHD会社をただの「箱」にしないために、どのような準備が必要か、簡単に述べてみたいと思います。
Table of Contents
1 ヒトモノカネの「カネ」の手当て
まずはHD会社を動かすための資金が必要です。
しばらくは出資金でもいいかもしれませんが、役員報酬を払うためにもキャッシュが必要です。
ましてや、管理部門をHD会社に集約して、経営企画機能を持たせて、、、となると人件費、事務所経費などなど一般の会社と同様に資金繰りが必要になります。
HD会社が事業を行っていない場合、子会社から「経営指導料」、「業務委託報酬」、「株式配当」等の方法で必要な資金を融通してもらう必要があります。
「経営指導料」とは、HD会社が子会社の経営の面倒を見ることに対するいわばコンサルティング報酬のようなものです。
子会社は現場の事業に専念できでも、財務や経営管理といった経営に対する対応力が弱い場合があります。
このようなときにHD会社が経営をサポートして対価を受け取ることが行われます。
また、HD会社が子会社の経理事務や総務業務を代行(アウトソース)することも広く行われます。
この場合に事務代行の手数料として「業務委託報酬」を受け取ります。
これ以外にも「株式配当」、HD会社が持っている事務所の「賃貸料」といった資金源があり、これらの取引をMIXして資金の手当てを行います。
字数の関係から詳しい説明は省略せざるを得ませんが、一般に検討の順位としては
実費的な費用(事務所賃料など)>業務委託報酬>経営指導料>株式配当
の順に検討していくことがベターです。
なお、このようなグループ内取引を実施する場合、対価性がある(説明できる)ということへも留意が必要です。
金額水準の妥当性を説明できるか、実際にHD会社が子会社にサービスを提供しているといえるか。
対価性が認められない場合、税務上の問題が出てきてしまいます。
この点は顧問税理士さんとご相談ください。
2 「ヒト」の手当て
これは「HD会社の従業員」と「子会社の経営陣」の2つの側面があります。
HD会社にグループ内の管理業務を集約することが行われますが、このときに実際に従事する管理部門のメンバーをどうやって集めるか。
最初は子会社からの「兼務出向」でも良いと思います。
しかしながら、いつかのタイミングでHD会社の「プロパー社員」として転籍させないと、いつまでも「HD会社」の意識が醸成されず、何も実態が変わりません。
加えて、子会社の経営陣の育成も必要です。
HD会社と子会社とで役割分担を進めるためには、子会社に権限を「委譲」するということが必須です。
HD化した後もいつまでも社長が子会社も見続けるということでは、グループ全体の運営に支障が生じます。
HD化を考える場合、社長が持っている仕事を切り離して子会社の幹部に「委ねる」、またそれに耐え得る経営幹部の育成も必要になります。
もしHD会社の経営にお悩みの方は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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