IPOコラム

時流を把握して準備する!IPO市場の2022年の総括と2023年の展望

2022年のIPO市場の振り返りと、2023年の展望に関して、ポイントを絞って解説いたします。IPO準備中の経営者だけでなく、IPOを検討している経営者の方も参考にしてください。

1.2022年のIPO市場での大きな変化

2022年におきたIPO準備会社にとって影響があるだろう出来事を3つピックアップしました。

① 4月に東京証券取引所と名古屋証券取引所での市場再編

② 8月に東京証券取引所「IPO等に関する見直しの方針について」公表

③ TOKYO PRO Marketへの年間新規上場企業数が過去最高に

上記以外にも、2022年1月に公正取引委員会より「新規株式公開(IPO)における公開価格設定プロセス等に関する実態把握について」が公表されるなど、今後新規上場を予定している、IPOを目指す会社にとって、事前に把握しておきたい変化がありました。2022年のIPO企業数は2021年と比べて減少する見込みですが、市況環境だけでなく制度の変更なども理解した上でIPO準備を進めていく必要があります。なお、TOKYO PRO Marketへの新規上場が過去最高になっただけでなく、地方市場への上場企業数も増加傾向にあります。

2.2023年のIPO市場の展望

2023年に予想されるIPO市場の動きについて3つピックアップしました。

①上場時の時価総額が100億円未満のIPO数の減少

②バイオベンチャー企業の上場数の増加

③TOKYO PRO Marketへの新規上場企業数の増加

上記の他にも2022年に東京証券取引所から公表された「IPO等に関する見直しの方針について」から派生する変化なども起きる可能性があります。特に、近年、主幹事証券が主幹事契約を締結する企業選定に変化があり、上場時に時価総額が〇億円以上となることが見込める企業でないと主幹事契約を締結しない、主幹事契約を締結していても解約している、というケースがあります。その為、上場時の時価総額が100億円未満を想定しているIPO準備会社は主幹事証券を決めるのに苦労する可能性があります。結果として、グロース市場やスタンダード市場でのIPOを目指していたものの、主幹事証券が決まらないので、地方市場もしくはTOKYO PRO Marketへ上場してから、その後ステップアップとしてグロース市場やスタンダード市場への上場を目指す、というパターンが増えてくるものとみられます。

上記は、IPO市場全体の流れの一部になりますので、より詳しく、より幅広く知りたいという方は以下のコンテンツよりご確認ください。