
IPO(新規株式公開)を目指すプロセスにおいて、上場に向けた体制づくりの第一歩となる重要なステップが、監査法人による「ショートレビュー(短期調査)」です。一般市場への上場を目指す場合は直前々々期(n-3)中に、TOKYO PRO Market(TPM)への上場を目指す場合でも直前々期(n-2)中に受ける必要があります。
ショートレビューの最大の目的とは?
ショートレビューの目的は、「現状の自社の会計課題を洗い出すこと」です。最初から課題が全くない企業はありませんが、昨今のIPO市場において、監査法人は企業の「監査リスク」に対して慎重な姿勢をとる傾向にあります。ここでしっかりと信頼を獲得することが、その後のスムーズな監査契約、そして上場準備の加速へと繋がります。
したがって、ショートレビューは単なる課題の洗い出しにとどまらず、「自社が監査契約を結ぶに足る、管理体制を構築していく意思と能力がある企業である」と監査法人に判断してもらうための重要なステップとなります。
具体的な指摘事項
では、具体的にショートレビューではどのような論点が問われるのでしょうか。特に指摘を受けやすい重要課題は以下の通りです。(=上場企業としての基盤を作る上で、特に重要となる「4つのポイント」)
1.「 決算処理体制」に対する指摘事項
月次決算が早期に締まらない、税務会計のままで財務会計(発生主義)へスムーズな移行が可能かが注目されます。
2. 「利益管理体制」に対する指摘事項
監査法人は、企業の成長性を裏付けるロジカルな事業計画を高く評価します。根拠の乏しい事業計画や、実績データの裏付けがない予算設定は厳しく見られます。監査法人の経営者インタビュー等において、客観的かつロジカルに説明できる事業計画書が求められます。
3. 「資産・業務管理体制および経営管理体制」に対する指摘事項
これらがしっかり運用されている企業は、内部統制が効いていると高評価を受けます。しかし、社内規程や取締役会の未整備、契約書等の管理などがしっかり運用されている企業は、内部統制が効いていると高評価を受けます。
4. 「関連当事者取引」に対する指摘事項
役員や関係会社との取引は、利益相反の観点から上場前に解消を求められる可能性があります。主要な事業取引が関連当事者取引となっている場合は、早い段階で整理・解消しておくことで、独立性と透明性の高いクリアな経営状態であることをアピールできます。
どのように対応することが重要?
これらのポイントをクリアし、監査法人と二人三脚でIPOを進めるための「鍵」となるのは、監査法人がスムーズに調査を進められるよう、事前の環境整備をしておくことです。
具体策としては、論理的な「事業計画書」の策定をはじめ、自社の業務プロセスを透明化する「業務記述書」、さらには「資本・役員関係等の取引図」などをあらかじめ作成し、提示することが効果的です。加えて、「発生主義による会計処理への移行」や「月次決算の早期化」といった重要論点については、監査が入る前から着手しておいても良いかと思います。その上で、現実的なIPOスケジュールや、自社が認識している課題の一覧を監査法人と共有することで、企業としての誠実さを示し、信頼関係を築く一歩になるでしょう。
しかし、これらすべての論点を自社のみで網羅し、最適な体制を構築することは実務上非常に負担がかかるものです。そこで、ショートレビューで問われる論点の全体像から、具体的な対策案までを詳しく解説する特別セミナーを開催いたします。
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■本セミナーで得られること
・ショートレビューの全体像と、監査法人が注視するポイント
・決算処理、業務管理、関連当事者取引など各論点における頻出の指摘事項
・監査法人がレビューしやすい環境を作るための具体的な事前準備
・IPOに向けた事業計画書や業務記述書の整備のポイント
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