札幌証券取引所(以下「札証」という)がSapporo PRO Frontier Market (札幌プロフロンティアマーケット)の実質的な市場開設は、1社目となる株式会社アットマークテクノが新規上場する2026年6月30日となります。
本コラムでは、J-Adviserであり、かつIPOコンサル会社でもある船井総合研究所が同市場の特徴や今後の展望について解説いたします。
1. Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)とは
東京証券取引所(以下、「東証」という。)と同様に、札証からも『Sapporo PRO Frontier Market上場ガイドブック』が公表されております。
https://www.sse.or.jp/datafiles/frontier/guidebook.pdf
市場名を聞いて、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)との違いが気になりますが、下記図表の通り、Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)はTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の市場制度を踏襲したものとなっております。なお、制度上はSapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)とTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の重複上場が可能となっております。
Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)及びTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の、一般市場と比較した特徴的な点として、以下4点が挙げられます。
①上場審査の主体
一般市場では、証券取引所や証券会社が上場審査を行いますが、Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)ではS-Adviserが上場審査の主体となります。TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)で採用されているJ-Adviser制度と同様に、札幌証券取引所から認定されたS-Adviserが、上場審査や上場管理等の自主規制業務の一部を受託する制度となっております。
➁必要な監査期間
一般市場へ上場するためには監査法人の監査期間が2期間必要となりますが、TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)と同様、Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)でも、監査期間が1期間のみで上場することができます。そのため、上場準備期間や上場準備費用などの観点で、一般市場上場を目指すよりも負担を軽減させて上場することができます。
③オーナーシップを維持させたままでの上場
Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)及びTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)では、株式の売買がプロ投資家に限定されており、流通株式比率に関する基準が設けられていませんので、未上場のままとほぼ同等のオーナーシップを維持させて上場することができます。


④【Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)独自】コスト優遇とステップアップ支援
SPFM最大の特徴は、北海道の「GX金融・資産運用特区」と連動した手数料優遇がある点です。上場時に資金調達を行う企業や、北海道の重点分野(再生可能エネルギー、農林水産業、生成AI・半導体生産、宿泊・飲食業等)の企業には、新規上場料が通常250万円から最大150万円まで減額されます。 さらに、SPFMに1年以上上場し、公募・売出しを伴って札証の一般市場へステップアップ上場する際、アンビシャス市場への上場手数料が50万円(通常150万円)、本則市場へは200万円(通常300万円)へと大幅に減額される特例が設けられています。

2. 北海道に本社を置く企業の新規上場の状況
2. 北海道に本社を置く企業の新規上場の状況
直近3年間における北海道企業の東証への新規上場社数も、毎年1社程度で推移しています。全体の新規上場企業数と比較すると割合はまだ少ないものの、北海道発の企業が着実に上場を果たしていることがわかります。

直近、札証アンビシャス市場へステップアップ上場した企業として、以下の事例をご紹介いたします。
①伸和ホールディングス(本社・札幌市西区)
2023年1月にTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)へ上場した後に、2024年10月に札証アンビシャス市場にステップアップ上場しております。さらに、2026年5月28日には名証(名古屋証券取引所)への上場も果たしており、プロ市場を起点として着実な成長と市場拡大を実現している事例と言えます。
上記の会社はTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)への上場後のステップアップになります。今後、Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)ができたことで、SPFMを経由したステップアップ上場企業が増えていくことも期待できます。
3. まとめ
以上、Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)の特徴や北海道でのIPOの状況についてまとめました。2026年1~4月時点でのTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の新規上場企業数が13社であることから、今Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)の新規上場を目指す企業が出てくることが期待できるのではないでしょうか。
Sapporo PRO Frontier Market(札幌プロフロンティアマーケット)及びTOKYO PRO Market(東京プロマーケット)への上場を希望する会社様は、J-Adviserであり、かつIPOコンサル会社でもある船井総合研究所までお問い合わせください。
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