
本コラムでは、国内IPO市場において近年最大のトレンドとも言える「TOKYO PRO Market(以下、TPM)」の躍進について、最新のデータとともにその背景を紐解いていきます。
成長を続けるTPM市場の最新動向
皆様は、直近のIPO市場においてTPMがどれほどの存在感を放っているかご存知でしょうか。
最新のデータ(2026年2月末時点)によると、TPMの累計上場会社数は168社に達しました。2024年には年間50社、2025年も年間46社が新規上場を果たしており、国内の新規上場企業数の総数において約4割という非常に大きな割合を占めるようになっています。
グロース市場をはじめとする一般市場への新規上場企業数が減少傾向にある中、TPMは国内市場における新規上場社数の伸びを力強く牽引しているのが現状です。
なぜ、これほどまでにTPM上場が増加しているのか?
では、なぜここまでTPMを目指す企業が増加しているのでしょうか。
その背景には、大きく分けて3つの理由があります。
1. 一般市場のハードル上昇と「主幹事難民」問題
近年、グロース市場などの一般市場では上場維持基準の見直しが行われるなど、上場へのハードルが一段と高まっています。また、証券会社が主幹事として契約するにあたっての社内的な基準(上場時の時価総額など)を引き上げていることなどから、主幹事証券会社を見つけられない「主幹事難民」と呼ばれる企業が増加していることも要因の一つです。
2. 柔軟な上場基準と早期の上場実現
一般市場では利益額や時価総額、株主数などの「形式基準」が求められますが、プロ投資家向けの市場であるTPMではこれらの形式基準が設けられていません。ガバナンスや内部管理体制といった「実質基準」を満たせば上場が可能であり、成長途上の企業や地方の優良企業でも、比較的早期に上場のチャンスを掴むことができます。
3. 上場企業としてのメリット享受とステップアップ
TPMであっても「東京証券取引所の上場企業」であることに変わりはありません。社会的信用の獲得、採用力の強化、社内体制の整備といった上場メリットを十分に享受できます。さらに、TPMを足がかりとして一般市場(グロースやスタンダード)へステップアップ上場を果たす企業も着実に生まれており、成長戦略の有効な手段として定着しつつあります。
IPOを成功に導くために本当に必要なこと
TPMは企業成長への有力な選択肢ですが、決して「簡単に上場できる市場」というわけではありません。監査法人・J-Adviserの選定、そして何より上場企業にふさわしい盤石な社内体制の構築には、専門的なノウハウと多大な労力が必要です。
また、自社にとってTPMが最適なのか、それとも最初から一般市場を目指すべきなのか、経営戦略と照らし合わせた慎重な判断が求められます。
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