IPOコラム

成長戦略としてのTOKYO PRO Market（東京プロマーケット）上場とは

「会社が成長したらいつの日か上場したい」、そのように考える経営者の方は少なくありません。
しかしながら、私たち船井総研のIPOコンサルタントは逆の発想で考えています。
すなわち、「成長するために上場する」です。
会社の成長戦略として「上場」を位置付ける、そのような発想をお持ちの方にぜひおすすめしたいのが東京証券取引所のプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」への上場です。

１．TOKYO PRO Market上場をおすすめする理由

TOKYO PRO Market（東京プロマーケット）とは、東京証券取引所（東証）の株式市場の一つです。
東証というと昔は東証一部、二部、マザーズなどがありましたが、2022年4月からプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編されました。
その東証の4番目の株式市場がTOKYO PRO Marketです。
TOKYO PRO Marketはここ数年で認知度が大きく高まり、2020年以降は毎年二桁の企業が上場しています。
2022年は既に4月の時点で10社が上場し、上場企業数は50社を超えています。

TOKYO PRO Marketの最大の特徴は、取引参加者を証券会社といったプロの機関投資家に限っていることです。
一般の個人投資家の参加を認めず、プロ投資家のみに参加者を限定する。
その目的は、投資家保護のために必要な上場のハードルを下げて、幅広い企業に門戸を開放するという点にあります。

具体的には、TOKYO PRO Marketには上場するための形式基準は一切ありません。
一般の市場では「利益は何億円以上」「時価総額何億円以上」という基準があり、必然的に企業規模が一定以上の会社に限られます。
そうすることで、投資に不慣れな個人投資家が購入してもリスクの少ない企業に限定しています。
TOKYO PRO Marketも会社の管理体制がしっかりしているかは問われますが、設立間もない会社でも大企業でなくても上場を目指すことができるのです。

２．TOKYO PRO Marketに上場することで何が変わるのか

TOKYO PRO Marketも上場審査があり、東証と東証から審査業務の委託を受けた「J-adviser」によって、社内の管理体制がきちんとしているか確認がなされます。
上場審査をクリアしてTOKYO PRO Marketに上場した際は、他の株式市場の場合と同様に、上場企業としての信用が得られます。

例えば、会社の決算について監査法人の会計監査を受ける必要があります。
監査法人の監査証明を取得しているということは、会社の決算情報に虚偽はなく一定水準以上の内部管理体制が確保されているという証です。
その結果、TOKYO PRO Market上場後は金融機関や取引先の評価が大きく変わります。
銀行との取引条件を有利にすることで、成長余地が広がります。
また、取引先からの信用を得ることで、事業拡大の選択肢が広がります。

さらに、人材獲得にも有利といわれています。
上場企業となることで、新卒採用・中途採用問わず社員が安心して働くことができ、採用を有利に進めることが可能となります。
多くの上場経験者の方々が、TOKYO PRO Market上場後に人材獲得への悩みが減ったと言われております。
幹部候補や後継者候補の獲得に悩む経営者にとっても解決策の一つといえます。

このように、上場することで得られる信用を武器に事業の成長につなげる、成長戦略の一環としての上場戦略をもっとも有利に進められるのがTOKYO PRO Marketです。

３．TOKYO PRO Market上場へ向けてまず考えるべきこと

繰り返しですが、TOKYO PRO Marketは数値基準がなく、一般の株式市場に比べて幅広い企業に門戸が広げられています。
しかしながら、東証とJ-adviserの上場審査によって、上場企業にふさわしい内部管理体制が備わっているか確認が行われます。
監査法人による会計監査は少なくとも1期分は必要です。
それ以外にも、社内ルールの整備、取締役会の設置、監査役監査や内部監査の実施、会社と経営者や親族との取引関係の整理など、クリアすべき課題が多くあります。
それらの準備のためには最低でも2年以上の期間が必要です。
また、監査法人の監査報酬をはじめとして、上場準備に費用も必要となります。

貴重な時間と費用を無駄にしないためにも、まず上場経験者による確実なアドバイスを得ることが不可欠です。
船井総研は2022年4月に東京証券取引所からTOKYO PRO MarketのJ-adviser資格を認定されました。
上場経験者、上場審査経験者、公認会計士といった人材が上場準備を支援します。
もちろん、TOKYO PRO Market以外にもスタンダード市場、グロース市場や東証以外の名古屋、札幌、福岡の各取引所への上場も対応可能です。
上場による成長戦略にご興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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