IPOコラム

TOKYO PRO Market、上場の“本当のところ”

TOKYO PRO Market(以下、TPM)に最近注目が集まっています。
上場企業数が増加傾向にあり、上場企業のうち約8割が地方企業となっています。
また、スタンダード市場やグロース市場などの一般市場とは異なり、
株主数や流通株式数、時価総額、経常利益額などの形式基準がないことも
注目される理由だと考えられます。

しかしながら、
株式の流動性が低いことから、新規上場に伴う資金調達には期待できないため、
「TPMに上場する意味は何か」という声も寄せられております。

そこで、今回は、皆様が気になっているようなTPMの”本当のところ”をお伝えさせていただきます。

1 TPMの上場企業数が増加傾向にある理由は?
 2021年度の新規上場社数は13社しており、2022年6月末時点では既に11社が新規上場しておりますので、2022年度は2021年度の上場社数を上回る勢いとなっております。

それでは、なぜこのような増加傾向にあるのでしょうか
大きく2つあると考えられております。

①東京証券取引所(以下、東証)の市場再編
 2022年4月4日から適用されている東証の市場再編によって、
旧JASDAQ、旧マザーズへの新規上場を目指していたものの、
TPMへ目標市場を変更した企業があり、TPMの新規上場数が増加したと考えられております。
実際に、直近TPMへ上場した企業の業績を分析してみると、
下記のように、微増ではありますが、TPM上場企業の業績規模も変化しております。

・2020年度の平均値
 売上高:3,671百万円 経常利益:▲49百万円
・2021年度の平均値
 売上高:6,980百万円 経常利益:430百万円
・2022年度(6月22日時点での平均値)
 売上高:5,191百万円 経常利益:31百万円

②J-Adviserの精力的な活動
 近年J-Adviserの数が増えていることもあり、それぞれのJ-Adviserを通じてTOKYO PRO Marketのことを知る機会も増えているいるのではないかと考えられます。2022年6月末では13社のJ-Adviserが東証より上場業務等の委託を受けており、当社をはじめJ-Adviserの会社数も増加しています。実際に上場した会社のJ-Adviserをみると、2019年は2社でしたが、2020年は3社、2021年は5社が担当しております。

2 TOKYO PRO Marketの意外と知られていないところ
TPMについて、よく聞かれる(皆さんが意外と知らないであろう)ことを2つお伝えしたいと思います。
①資金調達
 冒頭で資金調達には不向きな市場とご紹介いたしましたが、資金調達が全くできないというわけではありません。
2021年の事例をご紹介いたします。
 ・株式会社アーバンライク(2021年7月にTPM上場)
  新規上場に伴い、1億8,900万円を調達
 ・株式会社五健堂(2021年10月にTPM上場)
  新規上場に伴い、9億4,000万円を調達
 ・エヴィクサ―株式会社(2021年12月にTPM上場)
  新規上場に伴い、1億1,000万円を調達

このように、ファイナンス実施の意志とそれに伴う適切な準備を行えば、
TPMでも新規上場に伴う資金調達を実施することは可能です。

②TPM上場までの期間
一般市場と比較した際に、監査期間が1期間で済むことがTPMの特徴でもありますが、実はJ-Adviserとの契約締結してからTPMへ上場するまでの期間も各社によって異なります。

・エヴィクサー株式会社
2021年7月に担当J-Adviserであるアイ・アールジャパン株式会社とJ-Adviser契約締結後、2021年12月にTPMに上場しております。
(参考):エヴィクサー株式会社 特定証券情報

・株式会社アイガー
2021年12月に担当J-Adviserであるフィリップ証券とJ-Adviser契約締結後、2022年6月にTPMへ上場しております。
(参考):株式会社アイガー 発行者情報

上記のように、
J-Adviser契約締結後に比較的早いスケジュールでTPMへ上場できる会社もありますが、全ての会社が上記2社と同じようにJ-Adviserと契約して短期間で上場できるわけではありません。

なぜTPM上場までのスケジュールに違いが生じるのかや、TPMの”本当のところ”を聞いてみたいという方向けに、Youtubeチャンネルにて本セミナーの内容を解説しておりますので、是非ご視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=VUQOEmVmj4Y

・セミナー情報
TOKYO PRO Market、上場の“本当のところ”
https://www.obc.co.jp/special/ipo/sem/220712

2022年7月12日(火)13:30~14:30
料金:無料 
オンライン形式