IPOコラム

IPO準備の過程はこれまで経験したことのないほどの困難な道のりなのか?「経験者ゼロ」から踏み出すIPO準備

「御社には過去にIPO準備に携わった方がいらっしゃいますか?」

 将来的なIPOを視野に、いざ情報を集めようとした経営者様が受ける代表的な質問です。
あまりにも高い頻度でこのような質問を受けるため、
「やはり経験者がいないとIPO準備は難しいのか」
といった思考に偏るケースもあることでしょう。

本コラムでは、IPO準備を始めるにあたって、経験者の存在は本当になくてはならないものなのか、また、IPO準備の過程はこれまでに経験したことのないほどの困難な道のりなのかについて考えていきたいと思います。

1.経験者の存在は本当になくてはならないものなのか?

船井総合研究所のIPO支援においても、コンサルティングの初期段階でIPO準備を経験した役職員の有無について質問します。ただし、これは「経験者がいないとIPO準備を始められない」ことから発せられる質問ではありません。あくまで、支援先の企業様における人員の確保・配置状況を正確に把握し、今後の支援に役立てるための質問に過ぎないのです。
 実際に、私達の支援先企業様の多くは、経験者が全くいない状態からIPO準備に取り掛かり、これまで経験・知見がなかったことは真摯に学び、ノウハウを自分のものにしながら着実に形にして行っています。

2.IPO準備の過程はこれまで経験したことのないほどの困難な道のりなのか?

IPO準備を始めるにあたって、「IPOはとてもじゃないが自分達には難しい」と、頭の中で過度にハードルを高くしていないかについても一度疑ってみる必要があります。

 IPOに向けて整備すべき事項は、簡単に項目名だけを並べてみても、役員・組織構成、労務管理、月次・四半期・年次決算対応、中期経営計画・単年度利益計画策定、予実管理、社内規程整備、内部監査、資本政策の策定、従業員向けインセンティブプランの導入(従業員持株会、ストックオプション他)等、広範かつ多岐に亘り、たしかに難しそうな印象を受けます。

 しかしながら、「自分の代以降も、自社を発展させ続けるための仕組みづくり」という観点でそれぞれの項目を改めて見直してみるといかがでしょうか?
例えば、適切な労務管理を行うことは、従業員が心身ともに健康な状態で長期に勤務できる生産性の高い組織づくりにつながります。

社内規程を整備することは、オーナー社長等、特定の個人に頼る属人的な対応から、明確なルールや基準に基づく組織的な企業運営への変化を促します。これにより、世代交代で人員が入れ替わった後も継続的に発展する企業の基盤を築くことができます。

 このように、IPO準備に際して整備が求められる内容には「いかに長期的に継続して発展できる会社を築くか」という考え方が根付いています。個別の項目で見るとこれまで全く意識したことのないものもあるかもしれません。しかし、「この会社を、自分の代以降も長きに亘って発展し続けるような会社にしたい」と考えながらこれまで仕事に取り組まれ、数々の困難を乗り越えてきた経営者様にとっては、IPO準備の過程は、その考え方において既視感を覚える事も多いのではないかと推察いたします。


 IPO準備を始めるにあたって、経験者の存在は本当になくてはならないものなのか、IPO準備の過程はこれまでに経験したことのないほどの困難な道のりなのか、についてお届けいたしました。
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