IPO支援コラム

月次決算早期化のために理解しておくべき「情報生成プロセス」とは

■目次

1.初めに
2.情報生成プロセスとは
3.情報生成の種類
4.情報の転換点
5.最後に

 

■1.初めに
皆様の会社では、決算を早くするためにITシステムをどこまで導入されているでしょうか?
決算は財務数値を集計する必要があるため、少なくとも会計システムを導入しているのではないでしょうか?
ただ、この会計システムをうまく活用できず、結果的に手作業による業務が減らないといったことはないでしょうか?
また会計システム以外のシステムは導入・維持コストがかかるため、導入を見送っているのではないでしょうか?
決算業務の早期化を行うためには、ITシステムの導入は必要不可避である点について情報生成プロセスの視点でお話させていただきます。

 

■2.情報生成プロセスとは
情報生成プロセスの基本的な流れは、事象を把握し、記録し、集計し、最終的に加工するプロセスになります。
決算業務の本質は情報を記録し、集計し、加工する業務です。従って決算業務の早期化を行うには、会社の情報生成プロセスを理解することが重要です。

 

■3.情報生成の種類
情報の生成は人が手作業で生成する場合とITシステムが生成する場合があります。特に人が生成する場合は、紙による場合が多いです。

 

■4.情報の転換点
情報の転換点とは、人から人、人からIT、ITから人、ITからITへ情報が転換される地点をいいます。
情報の転換点では情報の正確性や網羅性をチェックする必要があります。特に人が扱う情報の場合は間違えることもあるため、チェックに時間がかかります。一方ITのみの場合は時間がかかりません。
情報転換地点が多ければ多いほど、チェック作業が必要となりますので、決算業務が遅れる原因となります。よって、決算早期化を達成するためには、この情報生成プロセスの中にある情報の転換点を意識することが重要です。
例えば、営業担当者が顧客から入手した検収書に基づいて販売管理システムに売上データを登録し、経理担当者が販売管理システムの売上データから売上一覧表を作成、この売上一覧表に基づいて会計システムで振替伝票を作成している場合を考えます。この場合の情報の流れは人(検収書情報)→IT(売上データ)→人(売上一覧表)→IT(仕訳データ)となり、IT転換地点は3カ所となります。
上記のケースですと販売管理システムから会計システムへ直接データ連携ができれば、人(検収書情報)→IT(売上データ)→IT(仕訳データ)となり、IT転換地点が2カ所になります。特にIT→ITのチェックは人→ITに比べてチェック作業は短時間でできますので、システム間の連携をするだけでも情報生成のスピードはアップします。
よって、決算を早期に実現するには、ITシステムでの情報生成は避けて通れません。

 

■5.最後に
会社の情報生成プロセスの流れを理解すれば、決算遅延している箇所を特定し、どこにITシステムを導入すればよいか見極めることも可能です。
そのためには業務記述書やフローチャートを作成し、会社のIT生成プロセスを理解することが重要となります。
月次決算の早期化は強い会社を作るためには必要不可欠な上、IPOを目指す、もしくはIPO準備中の企業にとっても大事なポイントになります。
船井総研では、月次決算の早期化で悩んでいる方に向けて月次決算早期化を実現するセミナーの開催を予定しております。気になる方は是非、お問い合わせください。

 

 

 

 

 

執筆者
株式会社船井総合研究所
金融・M&A支援部 坂口孝幸