新規上場(IPO)の
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IPO支援コラム
2019年IPO市場総括 赤字での上場が多かった理由は?
2019年のIPO市場総括のポイントの一つは、最終赤字での上場数が増加した点にあります。そこで、本稿ではなぜ赤字でも上場できるのか?
なぜ赤字上場が増えているのか?という点をまとめました。
【赤字上場企業数の増加】
2019年の新規上場企業数(IPO)は86社となりますが、上場直前期の最終損益が赤字で上場する、「赤字上場」が増えた点が特徴です。
2018年は新規上場企業数90社に対して、赤字企業が12社(赤字企業数が新規上場企業数に対して占める割合は13.3%)でしたが、2019年は86社に対して15社(17.4%)と増えています。
一例をあげると、Sansan株式会社、株式会社ツクルバ、株式会社ステムリム、フリー株式会社、ランサーズ株式会社、Chatwork株式会社、株式会社スペースマーケットなどがあります。
(データは、2019年12月20日時点で当社にて各証券取引所のデータを集計したものになります)
【鍵は「サブスク」にあり】
すべての「赤字上場」企業に該当するわけではないですが、赤字上場が増える傾向にある要因としては、サブスクリプション型のビジネスモデルを展開している企業が増えてきていることが考えられます。
サブスクリプションとは、略してサブスクなどといわれたりしますが、「定期購読」「定額制」「月額性」のサービスのことを指すケースが多く、消費者が製品にお金を支払うのではなく、一定期間利用できるという「権利」に対してお金を支払うビジネスモデルになります。
サブスクリプション型のビジネスモデルの特徴は、先行投資は必要であるものの、ストック型のビジネスである上に、一定の会員数、ユーザー数に達することで、損益分岐点を超えることができると、その後の収益性が一気に高くなる点にあります。
アメリカでも、SlackやZoomのようなサブスクリプションモデルの企業が時価総額1兆円などと話題になり、そのビジネスモデルが注目されているのも背景の一つにあると考えられます。
サブスクリプションモデルのサービスを展開する企業が、
①先行投資によりビジネスモデルを固めて、積極的に会員数、ユーザー数を増やす
②新規上場(IPO)し、認知度や信頼性を高める
③得られた資金をもって広告宣伝などを積極的に行い一気に業績を拡大させる
というシナリオを描いている企業も多くあるとみられます。そのことから、今後もサブスクリプションモデルのサービスを展開する企業が、赤字の段階で上場するというケースも増える可能性が高そうです。
*なぜ、赤字でも上場できるのかについては、東証マザーズの上場審査基準に関して記載したコラムを参考にしてください。
「自社の成長性と比較してみたい、赤字でも上場できる「高い成長可能性」とは?」
(URL:https://funai-ma.webstarterz.com/mailmag/ipo/mailmag-2211/)
【上場企業例を自社の経営のご参考にするには?】
業績が安定しない、市況に左右されない会社にしていきたい、と考えている経営者の方は、一度自社の事業をサブスクリプションモデルにできないか、自社の強みを生かして新たにサブスクリプションモデルのビジネスを新規事業として展開できないか、を検討されることも一つの方法です。
その際、最近上場したサブスクリプションモデルの企業のIR資料などをチェックしてみると参考になるポイントがあるかもしれません。
また、上場企業のIR資料、特に同業の上場企業の資料は非常に参考になります。特に「赤字上場」した企業の資料をみる際に
・高い成長性があると、判断されたポイントはどこにあるのか
という視点でチェックすると良いと思います。
特に、東証マザーズに上場している会社には、高い成長可能性が求められています。今は安定しているが、今後の成長に向けて向けて新規事業に取り組まないといけないと考えている経営者の方は、上場(IPO)というターゲットを意識してみるのはいかがでしょう。
実際に上場(IPO)を目指すか否かは今後判断するとしても、上場(IPO)というターゲットを意識することで、いかに成長するサービスを展開していくかと考えるきっかけになると思います。
次回は、『「TOKYO PROMarket」をご存知でしょうか?上場34社の規模感を紹介』と題して、コラムをお送りします。
執筆者:株式会社船井総合研究所
チーフ経営コンサルタント 宮井 秀卓
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