IPO支援コラム

IPO準備を1年進めてみたら会社はどう変化するのか?

IPO準備を進めても実際にIPOできるまでに最低でも3~5年の期間が必要となりますが、IPO準備期間に会社にどのような変化が起きるのでしょう。

1.IPO準備前の状況

IPO準備前のタイミングでは、経営者や社員にIPOに関する知識がほぼないケースがほとんどです。
現在、船井総研でIPO支援させていただいている支援先の多くは、会社設立後、数十年IPOのことなど全く気にせずに経営されてきたケースが多いです。
その為、そもそも、自社はIPOを目指すべきなのかを判断するための知識や情報をインプットすることから始まります。
そのタイミングで、自社と同業種で上場している会社のIRなど開示資料をチェックしていき、上場会社となるためにしなくてはならないことや、どのような戦略で経営を行っているのかなどの情報収集を行うケースが多いです。
また、自社が上場したら実際にどのようなメリットやデメリットがあるか具体的にイメージします。
その結果、上場することで自社にとってこのようなメリットや狙いがあるからIPOを目指す、という流れになります。
いざ、IPO準備を進めよう!となっても、実際にIPO準備を開始段階で大事なのが、スケジュールと対象市場になります。
いつ頃、どの市場での上場を目指す、というものがないとIPO準備のスケジュールが具体的にならないからです。

2.IPO準備を開始

実際にIPO準備を進める際に、最も多く直面する課題として以下が挙げられます
・IPO準備担当者を誰にするか
ほかにも関連当事者取引の整理や、資本政策を含めたグループ会社の整理、など時間をかけて対処しなくてはならないことも多くありますが、だれが、いつまでに、何をやるか、の「だれが」を決める必要があります。経営者の方に「中途でIPO経験者を募集しているので、入社が決まったらIPO準備を開始する」といわれるケースも少なくないのですが、その意思決定はあまりお勧めしません。理由としては、IPO準備の実務経験のある人材自体が多くないですし、そもそもまだIPO準備を具体的に進めていない会社にIPO経験者が入社する可能性が低いためです。(経験者ほど現実的にIPOする可能性が高そうな会社かどうかを慎重に判断して入社するためです)
その為、お勧めしているのは、まずは社内の人員にて少しずつでもIPO準備を進めていくことです。少しずつでも進めていく過程で経営者も従業員もIPOに必要な知識や経験がどんなものか理解できるようになってきますので、どのような人材を中途採用すべきかイメージができてくるはずです。

3.IPO準備を進めて1年経過

少しずつでもIPO準備を進めていくと1年ほどで大きく変化することがあります。それは経営者とIPO準備担当者のIPOに対する向き合い方になります。
最初は、全体像をあまり把握できていないままにも、課題に対して一つずつ対処していくと1年ほどで大きく変わってきます。以下は、実際に船井総研のご支援先の経営者のコメントになります。
A社「最初は、船井総研のIPO支援で言われるがままに進めていたが、1年ほど経ってようやく全体イメージをつかむことができた。」
B社「IPO準備を実際に進めることで、船井総研だけでなく、証券会社などからもIPOに関する情報が集まってくるようになった。」
C社「今、順調にIPO準備を進めることができているが、社内にIPOの知識が全くいない状態だったため、最初のきっかけとして船井総研のIPO支援のサポートがあったのが大きかった。」
このうちの2社に関しては、数年前からIPO支援をさせていただいており、IPO準備が順調に進めば、早ければ2023年、2024年にIPOできる予定です。見方次第では、見切り発車でIPO準備を開始したように思われるかもしれませんが、実際にIPO準備を進めながら情報や知識をインプットされて、IPOに近づいているのは間違いのないことです。むしろ、そのような状況でIPO準備を進めていなかったら2023年、2024年でのIPOは現実的に不可能で、これから2026年、2027年のIPOを目指すといったスケジュールにならざるを得ないのです。

4.最後に

いずれIPOを目指そう、と考えている経営者の方には「『いずれ』は具体的にいつですか?」とお聞きすることがあります。なんとなく、「まだ早い」「今は事業を伸ばすことが優先」「忙しくて余裕がない」という理由で先延ばしにしている場合は、明確に定量的な『いずれ』を設けていないといつまでたっても進めることができません。そのため、『いずれ』IPOを目指したいという経営者の方には、小さくても良いので、まずは、第一歩を踏み出して、具体的な行動を起こすことをお勧めしています。

一歩目をどう踏み出すか迷っている経営者の方は、ぜひ以下のセミナーにご参加いただきたいです。実際にIPOした会社の事例などが参考になります。

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