IPOコラム

IPO準備会社における月次決算早期化とは?

1.はじめに


 皆様は、いつ上場するか決めていますか?IPO準備にとって重要なのは、逆算で物事を考えていかなければなりません。
 上場するためには、たくさんの課題をクリアしなければなりません。ただ、単に課題をクリアするのではなく、課題に優先順位をつけ、課題毎の関係性を考慮に入れ、効果的に対処する時期を決めていく必要があります。頭ではわかっているけど、具体的にどうすればいいのかわからない方が多いと思います。そこで、具体的に進める上で軸となるのが月次決算早期化です。

2.IPO準備会社にとって月次決算早期化とは


 なぜ、軸となるのか?それは上場会社にとって一番重要な成果物は財務諸表だからです。月次決算早期化は、この財務諸表を早期に作成するプロセスを構築することです。よって、IPO準備会社はまずはこの月次決算早期化から進めるのがIPOをする上での近道になります。
 では、なぜ決算が遅いのでしょうか?
 まず、非上場会社の決算の目的は税務申告書を提出し、税金を納めることが目的であるため、必要性がなかったというのが第一の理由です。
 次に様々な取引や会社を取り巻く事実は最終的に数値化されていきますが、その取引や事実の情報を収集する仕組みがなく、あったとしても、経理への伝達が遅いことが第二の理由です。さらに、ルールがなく、ルールがあったとしても周知されておらず、仕事が属人化しているのが第三の理由です。最後にチェック機能がないのが第四の理由です。
よって、月次決算早期化を実現するためには、業務プロセスを見直し、規程を作成し、コントロールを設定する等、社内の内部管理体制を全社的に見直すことになります。上場会社がクリアしなければいけない課題の多くは、ルールとチェックに基づいた経営管理体制を構築することと関連します。したがってIPO準備会社にとって月次決算早期化を行うことはまさしくルールとチェックに基づいた経営管理体制を構築することにつながるため、月次決算早期化が実現すれば、おのずと多くの課題をクリアできるのです。月次決算早期化は、IPO準備対策の軸となる課題なのです。

3.最後に


 どうでしょうか?月次決算の早期化はIPO準備を進める上で重要であることを理解していただけましたでしょうか?IPOをめざす際にどこから手を付けたらいいかわからない場合は、まずは月次決算早期化を目標にしてみてはいかがでしょうか?目標も数値化しやすく、早期化が実現すれば、経営のPDCAサイクルを回すことができ、さらなる経営改善、IPO準備が進むことが可能となります。

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